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「……あん人も随分と馬鹿げた奴を入れたもんだ」
頭に手を当て、ため息をつく赤犬大将。
「半端な仕事は許さんぞ、ズィーヴァナ。報告書と後始末を抜かりなくやれ」
『了解しました』
「……。」
彼は私を数秒見つめた後、部下と共に去っていった。
後片付けで騒がしくなり始めた中、少女の方に向き直り膝をつく。
一瞬ビクッとしたが、私の目をまっすぐ見つめてくれた。栗色の瞳だ。
『お名前は』
「……。」
ふるふると首を横に振る。名前がない辺り、捨てられたのかもしれない。
『歳はいくつですか』
「……じゅ、12さい」
歳よりは幼い話し方。恐らくロクな教育も受けられなかったのだろう。
……私と同じように。
『孤児院から逃げてきて、偶然海軍の船でここについた。あっていますか？』
「……。」
こくりと頷く。
『……少々お時間をください』
少女の頭に手をかけ、電伝虫を手に取る。
"あの人たち"なら、きっと。
小さな深呼吸を一つし、かけた。
『もしもし。はい、Aです＿＿＿＿＿』
数分ほどやりとりをし、通信を切った。
彼女がふいに不安そうに私の袖口を掴み、口を開いた。小さな、小さな、か細い声だった。
「わたし、つかまっちゃう……？」
『いいえ、捕まりません。あなたは今から新しい家に向かいます』
「あたらしい、おうち……？」
『ええ、そうです』
すると彼女は私に抱きつき、首をふるふると横に振った。
「いや！いや！」
『落ち着いて、孤児院ではありません。新しい家族です』
「いや！なぐられる！」
『断言します、絶対にそのようなことはされません。彼らは……私の故郷でよくお世話になった、子供のいない夫婦です』
先程通信したのは、ネアポリス島で世話になった夫婦である。事情があり子供がおらず、里子を探していると聞いていた。
そのことを思い出し夫婦に彼女のことを話すと、快諾してくれたのだ。
『彼らはあなたを家族として迎え入れたいそうです……温かな家族ですよ』
「……ごはん食べても、怒られない？」
『怒られません』
「……おそうじ失敗しても、ムチでぶたれない？」
『ぶたれません』
「……ハグは、してくれる？」
『……ええ。うんと、沢山』
それから話は進み、丁度ネアポリスを通る軍艦に話を通し、部下に連れて行ってもらうことになった。
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レイ - 初コメ失礼します続きを楽しみにしてます！無理のない程度で頑張って下さい！！ (2023年3月19日 0時) (
レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - きゃんぱすのーとさん» ありがとうございます！これから更新再開していきます、遅くなってしまいすみませんでした。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 9a923ae5fc (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - to-aさん» ありがとうございます！無事更新再開できました、返信が遅れてしまいすみません。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 9a923ae5fc (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱすのーと(プロフ) - 続き楽しみにしています！！頑張ってください！！ (2021年5月23日 1時) (レス) id: 4f7bd18b95 (このIDを非表示/違反報告)
to-a(プロフ) - 応援しています！大好きです！！頑張ってください！！！！ (2021年4月26日 21時) (レス) id: 53e8f070ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大将 | 作成日時：2020年3月5日 18時
