第23話:勇気の数秒 ページ12
「えっ！？ぼ、僕にですか！？」
あたふたする彼に、手を差し出す。慌てて彼も握手を交わす。想像よりも純朴な青年の手からは、確かな意志を感じられた。
『あなたに、三度も救われた』
ネアポリス島で、海軍に追われていた時。
海賊に不意をつかれ、重傷を負った時。
そして……2年前の、あの数秒。
『この記事は……私のお守りです』
「その記事……わわ、恥ずかしいので見せないでください！」
照れくさいのか顔を赤らめテンパる青年。あれほどの大きなことを成し遂げたにも関わらず、海軍では珍しく謙虚で控えめなようだ。
『あなたの勇気ある数秒は……私を目覚めさせたのです』
"眠れる運命の奴 隷”だった私を。
そう告げると彼は目を見開き、下を向いた。数秒の沈黙の後、漸く口を開いた。
「……僕もです」
「僕も……眠れる、奴 隷です。」
まだ目覚めてすらいない、と自傷気味に笑う。人当たりのいい笑顔には、悔しさが滲んでいた。
私からすれば彼はもう目覚めているが……まだ足りないのだろう。何て向上心の強さだろうか。
『……お名前をお聞きしても？』
「僕はコビーです。改めてよろしくお願いします、ズィーヴァナさん」
『名前呼びで構いませんよ、よろしくお願いします』
雑談も程々に切り上げ、各々の仕事に戻る。
お互い頑張りましょう、と最後まで人柄の良さを感じる言動をし去って行った。
「ぽぽぽん！」
「恋愛フラグ立った音がした！」
後ろで意味不明なことを喚く部下達をスルーし、自分も始末書を書くために＿＿＿＿＿
「あらら、勇者Aちゃんじゃない」
『皆さん、海水は持ちましたか』
「はいっ！」
「おじさん泣きそう」
ぴえん、と表現出来そうな表情をする青雉大将(298cm)。
先程すれ違いで駆けて行った彼の部下の表情から察するに、騒ぎに乗じて書類をサボってここに来たのであろう。
『数日前に私に書類を押し付けて来たクザンさんじゃないですか。お仕事はどうされましたか？』
「チクチク言葉良く無いと思うな〜」
「全くだ、あんたは早く仕事に戻ったらどうです」
『プリンッ！！す、スモーカーさんいつのまに……！？』
甘味物の悲鳴をあげる少女に謎すぎる悲鳴にスペース猫になる部下達、いつも以上にしかめ面のスモーカー。
「ま、折角だし今からデートしよー」
突然デートに誘い出す大将。そう、この空間は正しく
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レイ - 初コメ失礼します続きを楽しみにしてます！無理のない程度で頑張って下さい！！ (2023年3月19日 0時) (
レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - きゃんぱすのーとさん» ありがとうございます！これから更新再開していきます、遅くなってしまいすみませんでした。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 9a923ae5fc (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - to-aさん» ありがとうございます！無事更新再開できました、返信が遅れてしまいすみません。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 9a923ae5fc (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱすのーと(プロフ) - 続き楽しみにしています！！頑張ってください！！ (2021年5月23日 1時) (レス) id: 4f7bd18b95 (このIDを非表示/違反報告)
to-a(プロフ) - 応援しています！大好きです！！頑張ってください！！！！ (2021年4月26日 21時) (レス) id: 53e8f070ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大将 | 作成日時：2020年3月5日 18時
