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港までの道のり、少女と雑談をしながら歩いた。
彼女によると3歳で捨てられ孤児となり、粗悪な孤児院でタダ働きさせられていたらしい。
日々の暴力や劣悪な環境に耐えきれなくなり脱走、偶然忍び込んだ軍艦でここへ来た……とのこと。
『しかし……あなたは凄い』
「え……わた、しが？」
『ええ。海軍と知らなかったとはいえ、あの軍艦に乗り込むのは相当な勇気が必要な筈。その上、海軍本部に忍び込むまで見つからなかったとは』
軍艦に到着し、乗降口で向き合う。
地獄から逃げるために乗ったものは、新たな門出の航路へと変わった。
『誇って良い』
「……はいッ！！」
海兵に促され船へ歩んでいく小さな背中を見送る。
私の後ろでも何人かの海兵が手を振り、見送っていた。
椅子を投げられた海兵も、頭に包帯を巻いているとは思えないほど勢いよく手を振っていた。
『……さて、報告書を書きますか＿＿＿＿＿』
「Aさんッ！！！！」
遠ざかっていく船から背を向けた矢先、名前を呼ぶ声に引き留められた。
「あ、あ"りがとうございました！！！この御恩は忘れませ"ん"！！！！」
『……！』
「い、いづか！返しにいく"のでッ！！待っててくださ"いッ！！！」
表情は見えないが、涙でぐちゃぐちゃな顔が浮かぶ。
ただ……先程までのオドオドした声は、カケラもなかった。
そう、その張った声と決意、ここまでの道のりを一人で歩いてきた勇気は、まるで…………
「……！」
ダンッ！と力強く地面を踏み、敬礼を送る。
言葉なくとも、これで伝わる。
慌てて彼女も、ぎこちない敬礼を返してきた。
こちらが見えなくなるまで、ずっと、ずっと。
・
「噂以上に……勇気と正義の心を持った方ですね」
『ッ……！？』
ドッ。と心臓が脈打つ。
「スモーカー准将から話を聞いていましたが……百聞は一見にしかず、会えて光栄です」
私は知っている。
この声を知っている。"あの日”私を目覚めさせた、この声を。
胸ポケットに入れた"
それをひと撫でし、ゆっくりと振り向く。
太陽に反射して輝く、ピンク髪の青年。
感激に震える声を抑え、伝えた。
《もう、やめましょうよ!!》
《命がもっだいないッ!!!》
《目的はもう、果たしているのに!!》
《今から倒れていく兵士達は……》
《まるでバカじゃないですか!!?》
『……あ、貴方に、会いたかった。』
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レイ - 初コメ失礼します続きを楽しみにしてます！無理のない程度で頑張って下さい！！ (2023年3月19日 0時) (
レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - きゃんぱすのーとさん» ありがとうございます！これから更新再開していきます、遅くなってしまいすみませんでした。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 9a923ae5fc (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - to-aさん» ありがとうございます！無事更新再開できました、返信が遅れてしまいすみません。 (2021年9月1日 18時) (レス) id: 9a923ae5fc (このIDを非表示/違反報告)
きゃんぱすのーと(プロフ) - 続き楽しみにしています！！頑張ってください！！ (2021年5月23日 1時) (レス) id: 4f7bd18b95 (このIDを非表示/違反報告)
to-a(プロフ) - 応援しています！大好きです！！頑張ってください！！！！ (2021年4月26日 21時) (レス) id: 53e8f070ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大将 | 作成日時：2020年3月5日 18時
