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草花の匂いが、ツンと鼻をかすめる。
あちこちから聞こえる唸り声は、私を拒んでいるのか、歓迎しているのか。
どちらにしろ、良い散歩日和だ。
「本当は部屋でゆっくり話したい所じゃが……どうしても付き人が来るのでな。散歩で勘弁じゃ」
『いえ、女ヶ島の探索してみたかったので好都合です』
隣に海賊女帝がいなければの話だが。
「其方の様な海兵が増えれば良いのじゃが……上の奴等は腰抜けばかりじゃ」
『私も腰抜けの1人です、ハンコックさん』
様を付けるのは止めよと言われ、さん呼びする事になった。
本当は呼び捨てが良かったらしいが……流石に一国の長を呼び捨てには出来ない。
「しかしA、其方……何故海兵になった」
海軍が嫌いなのに、と呟くハンコックさん。
会話の中で、うっかり口を滑らせてしまった。
〈〈背中の正義は、信用出来ない。〉〉
〈其方……嫌いなのか、海軍が?〉
〈〈好きな訳が、こんな悪しき正義……〉〉
『……このズィーヴァナ・Aには夢がある。』
彼女の肩に落ちた葉に触れ、蝶に変える。
蝶は彼女の髪を撫で、飛んで行く。
引かれる様に、私達はその蝶について行く。
『その夢の為にも、私はこの道を選んだのです』
「……其方の夢の行く末を見届けるのも、悪く無さそうじゃな」
彼女は、何も聞かなかった。
聞かずとも、私の夢は何を意味するのかを悟ったのだろう。
『中にも、スモーカーさんやたしぎさん達……あの方の様な素晴らしい正義を持つ海兵がいる事も知っています』
「うむ」
『ですが、それではダメなのです』
「ほう、何故」
普段の雰囲気とは打って変わり、柔和な……ある種の母の様な声色で私の話に相槌を打つハンコックさん。
『上が、根っこが変わらなければ、何も変わらないのです。今の正義は、弱者の為の正義ではない＿＿＿』
「
『その通りです』
そうかもしれぬ、と呟く彼女の瞳は、陰りがあった。
彼女もかつて、"強大な権力"のおぞましさを目の当たりにしたのだろうか？
『現元帥を責めてはいません。彼はとても優しい……彼も心を痛めているのです。問題は彼ではなく＿＿＿』
言葉を遮る様に、目の前に、何かが飛んできた。
目を見開き、口元を覆うハンコックさん。
フワリ、と地に落ちる、何か。
・
『……麦わら、帽子？』
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akane10746(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください。応援してます！！！ (2019年10月15日 17時) (
レス) id: 2fb489b662 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 面白かったです！シリアスの途中のシフォンケーキで吹きました。これからの展開が楽しみです！頑張ってください！！ (2019年10月15日 16時) (レス) id: ed90e02b61 (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - 悠羽さん» ご指摘ありがとうございます、修正させていただきました。更新に励んでいきます、これからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月15日 12時) (レス) id: dff6dfdeb1 (このIDを非表示/違反報告)
悠羽(プロフ) - とても面白いです！ワクワクします！更新頑張ってください！あと五話のところで主人公のセリフが名前がはいるところに入ってしまい変換できてませんでしたよ？ (2019年10月15日 11時) (レス) id: dc20c95a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大将 | 作成日時：2019年10月14日 23時
