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『スモーカーさん、クザンさん……！』
「あらら、おれの事名前で呼んでくれるの？」
「……」
うれしー、とおちゃらけるクザンさんに、何故かそれをしかめっ面で見るスモーカーさん。
「前々からAが嫌がらせを受けている旨の話は聞いていた。その対応を任せたのはおれだ」
「そ。だから、責任はおれ達にあるって訳」
何を言っているのだ、この人達は。
何をしているのだ、この人達は。
そんなことをする義理など、かけらも無いのに。
「ま、このお嬢ちゃんも反省してるし、処罰はAちゃん次第でいいでしょ」
「何よりも先ずは……自分もいじめを楽しんでいたクセに、掌返して暴行加えようとしたこいつらの処分じゃない？」
土下座をしていた女性を立ち上がらせ、男達の方を一瞥するクザンさん。
こちらからは顔が見えなかったが……どんな表情をしていたかは、彼らの震え様を見ればわかる。
「……ガープ。先にそいつらを、面談室へ連れて行け」
あいよ、と返事は気怠げだったが、彼らの襟首を掴み引きずる手は力が入っていた。
彼らの喚き声が遠ざかり、室内には女性の啜り泣く声と、外の訓練兵の声だけが響いた。
「……ズィーヴァナ。先ずは、本当にすまなかった」
と、頭を下げるセンゴク元帥。
「おれからも謝る。もっと早く対処していれば……」
元帥に続いて、スモーカーさんから。
「うん、おれもごめんね。お詫びにデートしてあげる」
あんたは黙れ。
『__＿＿何で、』
「何でッ！！！」
私の腕を掴み、噛みつく勢いで飛びついてきた女性。
流れる涙が、太陽に反射して綺麗だ。
そんな呑気なことをこんな時に考えてしまう私は、やはりどこかおかしいのだろう。
「何で……ッ何であの時、何も言わなかったのよ！！」
『何で……？』
告発すれば、私は一気に自由と名誉挽回と、手柄を手に入れられただろう。
でも。
『……何があろうと、あなたを見捨てて良い理由にはなりませんよ』
何で、って。
色々考えた、頭がこんがらがりそうな程考えたけれど。
『何で、ですか……』
憎しみを憎しみで返さないという、"あの人"の言葉？
いや、それは確かに背中を押したけれど……。
『さあ……そこんところですが、私にもよく分かりません』
資料室の後片付けをしてきます、と元帥室を後にした。
背後で、私に最上級の敬礼をする女性には、気付かなかった。
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akane10746(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください。応援してます！！！ (2019年10月15日 17時) (
レス) id: 2fb489b662 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 面白かったです！シリアスの途中のシフォンケーキで吹きました。これからの展開が楽しみです！頑張ってください！！ (2019年10月15日 16時) (レス) id: ed90e02b61 (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - 悠羽さん» ご指摘ありがとうございます、修正させていただきました。更新に励んでいきます、これからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月15日 12時) (レス) id: dff6dfdeb1 (このIDを非表示/違反報告)
悠羽(プロフ) - とても面白いです！ワクワクします！更新頑張ってください！あと五話のところで主人公のセリフが名前がはいるところに入ってしまい変換できてませんでしたよ？ (2019年10月15日 11時) (レス) id: dc20c95a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大将 | 作成日時：2019年10月14日 23時
