第15話:嫉妬 ページ40
「あなたも、大切な仲間です」
私の手を取り、目を見つめるたしぎさん。
場違いな感想だが……涙に濡れた瞳がよく晴れた夜空のようだ。
「もう2度と、勝手に危険な真似をしないでください」
『……善処します』
約束はしない主義なので、と付け加える。
約束とは、死んでも守るもの。そう簡単に約束をするのは……違う。
たしぎさんは、特に何か異議を唱えるでもなく、満足げに頷いた。
「あなたのその正直な、誠実な姿勢、好きですよ」
「同感、だからAちゃん、デートしよ」
呆れたようにクザンさんを一瞥し、食堂へ行くように促された。
『お腹が空きましたね……チョコレート』
「また発作が出てますよ、Aさん……」
「ひょっとしなくてもAちゃん、食いしん坊？」
しまった、ついチョコレート食べたい願望が溢れてしまった。
二人の指摘に恥ずかしくなり、誤魔化すように首の後ろをかいた。
「では私とクザンさんは用事があるので、先に食堂へ向かっていてください」
「えー、おれ仕事嫌なんだ……ごめんって、刀仕舞ってよ」
たしぎさんの渾身の脅しと共に、去っていった。
そして私は、空いた腹を抱えて食堂へ向かった。
・
___食堂___
食堂へ入ると、騒がしかった空間が一気に静寂に包まれた。
俯きながらご飯を食べるその姿は……憐むかのような、怯えているかのような。
一箇所だけ、避けるかのように空いた席を見つけた。
こんな異様な状況でも食欲が勝る辺り、私も随分な変人だ。
席に向かうと、"全て"を理解した。
『……成る程……これは素晴らしい歓迎ですね』
机の上に突き刺さるナイフ。
ナイフが刺しているものは……私の、顔写真。
ズタズタに引き裂かれたその下には、赤いペンで文字が書かれていた。
【犯罪者の成り上がり】
【スモーカー准将に媚びを売って昇格した外道】
【孤児ガキが調子乗んな】
『……このナイフ貰いますね、良いナイフです』
「いやそれ以前に言うことあるだろ！！！」
後ろからのツッコミに振り向くと、血相を変えたリバッキア中佐の部下達。
馬鹿かテメェはよ、と手を伸ばす部下。
掴みかかられるかと身構えたが、その手は私の横を通り過ぎていった。
「誰だァ、こんなマネしやがったクソ野郎は！！！」
「嫉妬なんざ、醜い事すんじゃねェよ！！」
その手はナイフを引き抜き、後始末をし始めた。
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akane10746(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください。応援してます！！！ (2019年10月15日 17時) (
レス) id: 2fb489b662 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 面白かったです！シリアスの途中のシフォンケーキで吹きました。これからの展開が楽しみです！頑張ってください！！ (2019年10月15日 16時) (レス) id: ed90e02b61 (このIDを非表示/違反報告)
イアル(プロフ) - 悠羽さん» ご指摘ありがとうございます、修正させていただきました。更新に励んでいきます、これからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年10月15日 12時) (レス) id: dff6dfdeb1 (このIDを非表示/違反報告)
悠羽(プロフ) - とても面白いです！ワクワクします！更新頑張ってください！あと五話のところで主人公のセリフが名前がはいるところに入ってしまい変換できてませんでしたよ？ (2019年10月15日 11時) (レス) id: dc20c95a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大将 | 作成日時：2019年10月14日 23時
