貴方依存性 (ページ27)

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依存性25 意外ページ27

｢泣くな。とは、言わないが泣かれたらどう対処していいのか分からない。女の団員を呼ぶか？｣

私を攫ったくせに、私に気を使っている彼に思わず驚く

｢マチ...いや、パクノダの方がいいか...それともシズクか？マチは、ヒソカの事嫌ってるからな。やはりパクノダか？｣

などとブツブツ呟いている彼が、どうしても危害を加える人には見えなくて思わず笑ってしまう

笑った私を見て、彼は眉をひそめる

｢何故笑う？仮にも俺はお前を攫ったんだぞ？｣

私は、一息つき笑いをおさめる

この時にはもうとっくに涙など枯れていた

『貴方は私を攫ったのに、私に気を使っている。しかも不器用に。そんな貴方が私に危害を加えるだなんて思いません。自分でもなんでそう思うのかは分かりません。
でも...クロロさん。私は貴方を信用出来そうなんです』

そう言うと、クロロさんは短く笑った

｢そうか...ヒソカがお前を気に入る理由が分かったよ。それと同時にますます盗みたくなった｣

『それは嫌です。私はまだやるべき事が沢山残ってるんです』

今ならクロロさんに怯むことなく反論できた

｢強気だな｣

『当たり前です。だって、私はダンサーですよ？クロロさんだって、私が踊ってるからこそ興味を示したんですよね？じゃあ私はここで盗ったらダメだと思いませんか？』

｢あ、あぁ｣

『じゃあ決まりですね。クロロさんは私を盗まない！あ、でもここで終わるのもなんですから、友達になりますか？』

｢ははっ、本当に面白いな。あぁ友達としてこれからよろしくな｣

『はい！』

ダンサーと盗賊の団長が友達になった瞬間だった