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颯馬side





その後、運ばれてきたのは俺の予想通りの人


嫌な予想ほど、的中するんだよな…



白石先生と灰谷、横峯、藍沢先生はもう1人のヘリで運ばれてきた患者の方を見てる


知念は俺と緋山先生が見ることに





颯「知念、針刺すよ」

侑「んぐっ…ぅぅあっ…」





いつもなら嫌がって抵抗する知念だけど


反応することすら出来ないほど痛いらしい


顔をくしゃっと歪めて、手をぎゅっと握っていた


小さくて白い手からは少し血がにじんでいた


俺はとっさに知念の手を掴み、自分の手を握らせた





颯「痛くなっから、俺の手握っとけ。大丈夫だから」





うっすらと目を開けた知念と目が合った


小さく頷くと俺の手を握る力は強くなった





緋「もう頭見えてるから、このまま産ませる。保育器スタンバイしておいて」

「はい」





15分後





緋「…おめでとうございます、可愛い男の子です」

侑「ハァッ、ハァッ、ハァッ、…」

緋「ちょっと疲れちゃったみたいなんで、先生に見てもらいますね?」

侑「コクッ))」





知念と山田さんの子供


生まれた瞬間、泣かなかった


それもそのはず。まだ未発達だから


7ヶ月半はバッチリ早産期


後に後遺症、障害が残る可能性も無くはない



でもとりあえずは、生まれてきてくれてよかった





颯「おめでと、知念」





個室に移動する準備をしながら話しかけた


知念の目はぼーっと、虚空を見ていた





颯「…知念?」

侑「…かな…かった…」

颯「え?」

侑「赤ちゃん…泣かなかった…」





ゆっくりとこぼれ落ちる涙


手は小刻みに震えていて


口はどんどん歪んでいく





侑「…っ僕が無理したからっ…僕がっ…こんな早くに産んじゃったからっ…」

颯「…大丈夫、知念のせいじゃない」





これしかかける言葉がなかった



今までにも早産の妊婦が運ばれてくることは何度もあった


でもみんな他人。基本、担当緋山先生とか女の先生だったから


俺はほとんど話す機会がなかった



でも今回は違う。救命の中で1番面識が多いからこそ俺の担当になった



かける言葉がわからなかった



そっと、手を握ってあげる事しか出来なかった




















わーなんか最後雑ぅ…((

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miko - 作品読ませていただきましたぁ!!!いやぁ...つなぐさん天才です (2020年5月6日 17時) (レス) id: e521ced911 (このIDを非表示/違反報告)
ホワイトタイがー(プロフ) - いつも楽しみに読ませてもらってます。 あの後、羽琉君がどうなったのか先が凄く気になっているので、こちらの方も更新して下さいね…(*^^*) 楽しみにしてまぁ〜す。 (2020年2月18日 21時) (レス) id: 452ba60033 (このIDを非表示/違反報告)
由依(プロフ) - つなぐ〜!久しぶり!!ゆかだよ〜!移行おめでとう!!更新頑張ってね〜〜!! (2020年1月13日 13時) (レス) id: 465319fe87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つなぐ。 | 作成日時:2020年1月12日 17時

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