My girl……？〜Form of love〜【nt×ar】

壊れてく精神 ページ20

大貴side




撮影の途中

休憩に入った瞬間、俺はスタジオを飛び出してトイレに駆け込んだ

後ろからひかの声が聞こえる



大｢ゲホッゲホッ……ゔっ……｣

光｢大丈夫？辛いね……｣



トイレにしゃがみこんで吐く俺のそばでずっと背中をさすっててくれた

5分ほど経って、だいぶ楽になった

嘔気はまだ胸の辺りにあったけど、光が持ってきてくれた水で口をゆすいだらある程度軽くなった



光｢大丈夫？もうやめとく？撮影｣

大｢ふるふる))大丈夫、できる……｣

光｢ならいいけど……危なっ、大丈夫！？｣

大｢ん……｣



前の検診の時に言われた貧血

そのおかげで俺の体はひかの方に倒れた

細いけど筋肉質な腕に支えられた



光｢どしたの！？｣

大｢はぁ……貧血っ……｣

光｢貧血か……やっぱり休んだ方がいいって。俺スタッフさんに言ってくるから｣

大｢え……あ……ちょ、ひかっ……｣



俺の止める声も聞かず、俺を楽屋に連れてってからスタジオに行ってしまった

また迷惑かけてる、俺


数分後、ひかが戻ってきた



光｢大ちゃん、今日はこのまま休んでていいって。撮影終わったらまた来るから。絶対だよ！｣

大｢うん……ごめんね……｣

光｢謝るなよ、大ちゃんなんも悪くないんだから｣



｢じゃっ｣と言ってひかは出てってしまった



大｢はぁ……｣



そっとお腹に手を当て、ため息をついた

つわりさえ、つわさえなければこんな迷惑かけなかったのに

……この子がいなければ……


って、何考えてんだよ俺

何我が子のこと恨んでんだよ



大｢……っ、……どうすればっ……いいかなっ……？｣



目から自然と出てくる涙

泣きながらお腹の子に話しかけた


泣いちゃダメだ、胎教にも良くない

でも涙は止まらなかった


ちゃんと仕事がしたい

でもつわりのせいで出来ない

……この子のせいで

いや、この子のせいじゃない

でも……


そんなことを考えてるうちに、俺の精神はどんどん壊れていった



大｢はぁっ、はぁっ、はぁっ、｣



苦しい

息が上手くできない

誰か……助けて……


次の瞬間、俺の意識は途絶えた

マタニティブルー→←笑顔の裏に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す