My girl……？【nt×ar】

涙 ページ27

大貴side




廊下で誰かと話してると思ったら女の人が颯馬の所に行ってキスしてた

びっくりした

すぐにその場から離れたかった。でも体が動かなかった



颯｢帰れ！そしてもう二度と俺の前に姿を現すな！！｣



初めて見た

颯馬があそこまで怒鳴ってるのを


女の人が帰ったあと、俺は耐えきれなくて颯馬の名前を呼んだ



大｢……颯馬……？｣



すると颯馬は俯いたまま俺の手を引いて、入院してた時によく来た二人っきりになれる場所に連れてこられた

俺が声をかけようとすると抱きついてきて、首元に顔をうずめた

俺は何も言わずに、颯馬が満足するまでじっとしていた

ゆっくりと颯馬の背中を撫でながら


しばらくして、もういいかなと思って颯馬から離れようとした

するともっと強く抱きしめられ、首元から小さな声が聞こえた



颯｢…………だ……｣

大｢……颯馬？｣

颯｢……いやだ……大貴……俺から……離れないで……｣



颯馬からこんな言葉初めて聞いた

｢大貴｣呼びも久しぶり

颯馬の体は小さく震えていた



大｢大丈夫、俺はずっと颯馬の所にいるよ？｣

颯｢……っく……｣



その時確かに聞こえた颯馬の泣き声

俺はゆっくり颯馬から離れて顔を見た



颯｢やっ……｣

大｢颯馬、俺の顔みて？｣



ゆっくりと顔を上げ、俺と目が合った颯馬

その顔はいつものカッコイイ顔ではない、悲しみに満ちた顔だった

目からは大粒の涙が溢れていた

俺はその涙を手で拭き取って言った



大｢俺はどこにも行かない。ね？｣

颯｢はぁ……っく、うぅっ……｣



また颯馬の目から、涙が一筋零れた

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