S×S lover【R.Y】

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蝉side




蝉｢くっそ……｣





殺ってもまだ耳鳴りが収まらなかった俺


零と憂と別れて1人でとある場所に来た





蝉｢……はぁ……｣





しばらくして着いたのはとある河川敷


神楽曰く、俺はここに捨てられていたらしい


夜のここは人気がほぼなく、静かだった





蝉｢ふぅ……｣





俺は河川敷に掛かっている橋の下に行くのがいつもの事だった


上には道路があって、車の走る音が時折聞こえる


でもそれも含め、何故か落ち着ける場所だった





蝉｢……？｣





いつもは誰もいないその場所に


その日は人影があった





？｢ふぅ……ぐすっ｣





泣いてる……？


人殺しといえど、意味もなく、しかも泣いてるやつを殺すことはしない





蝉｢おい。こんな時間にこんなとこいて何してんだよ｣

？｢……ぐすっ……別にいいじゃないですかっ……｣

蝉｢……はぁ……｣





普段ならこの場を離れるはずだけど


この時は何故か離れられなくて


俺は隣に座った





？｢……ぐすっ……｣

蝉｢……｣

？｢……っく、｣

蝉｢……どう……したんだよ｣





普段ならこんなこと絶対言わないのに


何故かこの時の俺はこの質問をしていた





？｢……俺っ……芸能界で働いてるんですっ……｣

蝉｢……ほぉ｣

？｢最近仕事上手くいかなくってっ……ここなら誰もいないからっ……｣

蝉｢……名前は？｣

涼｢……山田っ……涼介っ……｣

蝉｢……わかった……なら……毎日ここ来いよ、俺がお前の悩み聞いてやるよ……｣





キャラに合わないこの言葉


この時、なんで俺はこんなことを言ったんだろう


今でも時々そう思う



でもなんでかわからないけど


ゆっくり顔を上げたそいつを見て


守りたいって何故か思った



こんなこと、今まで思ったことないのに

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