伝わる不安 2 ページ6
ウラも右側を抑えモモは身動きが取れないが勢いは止まらない。
きっと、イマジンと人間だと考え方が違うのかもしれない。
イマジンは元々実体は無いし、今まで何体ものイマジンを消してきた。
もしかしたら、別の時間では倒したイマジンの中で仲間になっていた奴がいたかもしれない。
もしかしたら、この中の誰かは倒していたのかもしれない。
キンちゃんなんて最初は敵だったわけだし…
私は再び全員を見渡し、ヘタリと座っているリュウタを気の毒に思い向かいに座る。
リュウタ…ほんとに消えるの怖くないの…?
心の中でそう問い掛ける。
私は机を爪で軽くトントンと叩き、小さくリュウタを呼んだ。
リュウタはそれに気づき私のことを見た。
そのことを確認した私は少し微笑み、トントンと叩いた手を返し、ひらをリュウタに見せる。
一瞬キョトンとしたリュウタはその意味に気づき、軽く俯いたまま私の手に自分の手を重ねる。
きっと今は大好きな人に拒絶され、ものすごく怒鳴っている大人もいるからすごく不安な気分になっているはずだ。
今のリュウタに戦わないでっていうのも酷で余計不安にさせてしまう。
今リュウタにしてあげられるのはこれしかない。
こんなかわいい子供なのに消えることが怖くないなんて…
私は未だに怒鳴っているモモを取り押さえるキンちゃんとウラを見る。
あの二人はどうなんだろう…
キンちゃんは自分を身を省みないで本条のことを助けようとしたし、今回もそう思っていそうだな…
その時、ズキっと頭が痛んだ。
私はその話を聞いただけのはず。
でも、その時の映像が頭に流れてくる。
ほんとに最近なんなの…
私は少し強くリュウタの手を握った。
それからしばらくしてデンライナーはターミナルに到着した。
いまだ怒っているモモをウラとキンちゃんが取り押さえるようにデンライナーから降ろしている。
モモってほんと子供なのか大人なのか…
その3人の後をリュウタはとぼとぼとついて行く。
モモのことはウラとキンちゃんの方がよく分かるだろうしリュウタの方がちょっと心配かな…
あたしは後ろに手を組んでリュウタの隣を歩く。
もしも、この4人にデネブとかもいなくなっちゃったらどうなるんだろう…
少なくてもデンライナーは静かになるだろうな
ナオミさんのコーヒーを美味しいって飲む人少なくなるなぁ
「リュウタとAはどこ見たい?」
私がそんな悲しい妄想をしていると前からウラが質問しに来た。
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クルサ - あっという間に読み終えてしまった…クオリティが高くて凄く面白かったです!また、いつか続きを書いてくれる事を心から願ってます(^^)完結編まで読み切りたい…! (2021年9月29日 20時) (レス) @page12 id: 8a3ec40306 (このIDを非表示/違反報告)
シーナ - 小説、読ませて頂きました!とても面白かったです!続き、頑張って下さい! (2020年3月6日 1時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルナ | 作成日時:2019年12月22日 20時