第10話 ページ12
Side 10
……言ってしまった。
いや、言うしかなかったんだけど。
伝えた時の北山の顔は、驚いた、ってよりは、まあ、「この流れでそりゃそうだよな」みたいな。
思ったよりは冷静で居てくれているような気がする。
言葉は出ないようだけど。
「…困らせてるよな、ごめん」
「いや…ううん。そ、か…」
「別に、付き合って欲しいとかそういうことが言いたいわけではなくて。ただ今はもう言うしかなかったから…勝手でごめん、忘れて欲しい」
「…うん」
「けど、…こんなことしたのはほんと…ごめん、」
「…ううん」
ちょっと神妙な面持ちの後、「ま、まあ、減るもんじゃないから」と ははって北山が笑った。
その気遣い、余計に空気と心を重くする。
「…ごめん」
「ん、大丈夫だよ。その、別に何も変わらないし、勿論誰にも言わないし…」
「うん」
「好きになってくれたのは、嬉しいよ」
落ち込みと猛省で暗さMAXの俺に、優しく「ありがと」と言ってくれた。
この優しさには少し、救われる。
「…ん、こちらこそ」
「これからも、メンバーとして変わらず、ね」
「…ありがとう」
困らせてしまったり、これからの俺らの関係やグループでの仕事に支障が出てしまう方が大変だし、そうならないようにしてくれるのは凄くありがたい。
けど、逆に落ち着いて、冷静に優しく話してくれると、いたたまれなさと、申し訳なさと、気まずさが、凄い。
「ごめんな。…でも、ありがとう。勝手だけど、忘れてほしい」
本当に、やってしまったな…俺。
もう時刻も夜中の2時を回ってて、これ以上居るのもさらに迷惑になる。俺の言葉に控えめに頷く北山を見て、じゃあ、と家を後にした。
顔も見られず、バタンとドアを閉める。
…今、どんな顔してんだろ。
とぼとぼと夜道を歩きながら、脳裏で蘇る。
酔っ払ってふにゃふにゃした、無防備過ぎな
可愛い顔、
強引に口付けられて、少し苦しそうな顔、
動揺した顔、
そして、
なんともないから、みたいな顔。
やってしまった、って、後悔と猛省の気持ちもあるけど、
「…全然意識してくれる様子は、ないな」
心のどこかで あわよくば、なんて思っていた自分が、落ち込んだ。
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you.(プロフ) - 未来さん» あー本当だ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡全く気づいていませんでした…ご指摘ありがとうございました！ (2018年12月26日 9時) (
レス) id: 86a1048b9b (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 第5話が抜けていて、第6話が2つあるような気がするんですけど、私の気のせいだったら、ｺﾞﾒﾝﾅｻｲm(._.)m (2018年12月26日 1時) (レス) id: 6675551e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：you. | 作成日時：2018年12月22日 23時
