【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ41)

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第37話出発ページ41

「200年前のグランツライヒ王家の記述によれば……」

兄さんが語りだしたのは、有名なマリー姫のお話。マリー姫が贅沢三昧だったから、国民の反感を買いギロチンにかけられたという内容だ。

「ギ……ギロチン？」

「図版ですが、ご覧になりますか」

「！兄さんそれはダメ―――――」

遅かった。
レオンハルト王子の顔が段々青ざめていく。

「それでも行かないのなら仕方ありませんが……」

「行く……ッ庶民の生活勉強するからギロチンだけは……！」

兄さん……レオンハルト王子の扱い方がわかったと喜ぶべきなのか、ちょっと悩むよ……？←
トラウマにならなければいいんだけど……

「とにかく、お忍びですので王子だと気づかれないような服に着替えてきてください。では、10時に門に集合してくださいね」

「らじゃ！」

――9時59分――

「もうそろそろですね」

「ええ……ちゃんとした服装だといいんだけど」

時々貴族は庶民と感覚が違うから……
ここに来てからは特にそう思うようになったんだよね……

「センセー達お待たせー
じゃーん、優雅な紳士風ファッション！」

「流石着慣れてますね」

「リヒト王子は裏切らないと思っていましたよ」

「えーそれ誉めてる？」

「勿論誉めてますよー！ところで他の王子は？」

「そっちもバッチリだよーだって俺がコーディネートしたからね！」

そういって出てきた王子達。
おおっ想像していたよりも……

「皆さんよくお似合いで……！」

「これなら違和感なく街に溶け込めますね」

良かった……正直街に行ったことがあるリヒト王子以外の方が心配だったんだよね。
……本当に良かった、まともな格好で……！

「ですが、街中では目立たないようお願いしますね」

「もう準備できたの……？」

「「王太妃殿下とアデル姫/！」」

物陰から王太妃殿下とアデル姫が現れた。
何か伝え忘れたことがあったのだろうか？

「くれぐれも怪我をしないで……無事に帰ってきてね……」

「だっ大丈夫ですおばあさま」

「先生方もいらっしゃいますし……」

((出かけづらい))

王太妃殿下が泣いていては行くに行けないので、前に出て手を握る。

「大丈夫ですよ、王太妃殿下。私と兄が付き添いますので、何も心配はございません」

「ああ、ロッティ先生……！どうか王子達をよろしくお願いします！」

……この光景はデジャブな気がするけれど、これでようやく出掛けられそうだ。
私たちは馬車に乗り込んで街に向かった。