【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ38)

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第34話兄妹の共通点1 ページ38

「―――なぁ、お前達は兄妹なのにあまり似てないよな」

王宮に招かれてから数日経ったある日のこと。
レオンハルト王子が何気なく呟いて、王子達も話し出す。

「そうですか？」

「そんなことはないですよ？」

「そうか？だってハイネはロッティみたいに笑わないし、妹より背が低くて本当は兄じゃなくて弟なんじゃ……」

「いえいえ、兄さんは私の兄さんですし、私も兄さんより背が低い頃はありましたよ」

「今も可愛いですが、昔はよく私の手を握って後ろから着いてくるものですから、特に可愛いものでしたね」

「えーなにその話、もっと詳しく教えて！」

「恥ずかしいので却下です！」

それは大分昔の話だし、あの頃は今と随分変わったから掘り返さないでほしい……！
というか話の論点ズレてるし。

―閑話休題―

「なら他に似てないところや違うところはあるのか？」

「んー……あるとすれば、私が度のある眼鏡をかけていることでしょう」

「私はロッティと違い伊達眼鏡ですから、確かにこれは違いますね」

「そうなの！？てっきりロッティセンセーがハイネセンセーの真似をして同じような眼鏡をしてるんだと思ってた！ブラコンだし！」

「私は別にブラコンではありませんよ……」

「ロッティは勉強の頑張りすぎで目が悪くなっただけですよ、失敬な」

まあ同じような眼鏡なのは仕方がないと思う。だってこの眼鏡の型は元々兄さんが買ってきてくれたものだし。
でもかれこれ10年くらい眼鏡をかけているから、眼鏡の寿命の関係で厳密に言えばこれはもう兄さんから貰ったものではないんだけどね。

「ロッティ師匠も自分と同じだったとは……！何という幸運……！」

「はいはい落ち着いてください、ブルーノ王子」

しかしブルーノ王子も勉強のしすぎで眼鏡をかけるようになったのか。意外……というより予想通りの共通点だ。
眼鏡は知的な印象を与えるから、実際に頭の良いブルーノ王子はそうじゃないかと思っていた。

「じゃあじゃあ、逆に似ているところはあるのか……！？」

何か食いついてきてないか、レオンハルト王子……
もしかして、私たちの弱味を握ろうって考えてないよね……？
……いや、レオンハルト王子に限ってないか。
この王子は直接はっきり聞いてくるだろうし、多分大丈夫だろう、うん。