【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ32)

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第29話気になる隠し事ページ32

―ブルーノ王子の部屋―

「じ、自分はレオンハルトに何も言ってませんよ！
さあ師匠、授業を始めましょう！」

「まだ何も言っていませんよ」

「王子、本が上下逆さまです」

…………

―リヒト王子の部屋―

「ブル兄ぃとレオ兄ぃの隠し事ね！
教えても良いけど、今日の授業を俺とロッティセンセーとで異性間の愛の育みかた♥に変更してくれたら「「却下です/します」」えー」

………………

―カイ王子の部屋―

ふにふにふにふにふに……

「あの……カイ王子……」

ふにふにふにふにふに……

「えっと……これは……」

ふにふにふにふにふに……

……………………

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王子達の授業がすべて終わり、自室に戻っていた。
兄さんの補助とはいえ、私も国王陛下への授業報告書を書かないといけない。予め兄さんから教わっていたけど、毎回書かなければならないというのは少々面倒くさいものだ。
まぁ授業の詳細は兄さんが書いてくれているので、私の書く内容は個人の見解でいいそうだけど。

まずはレオンハルト王子。
初めてお会いしたときは私たち教師や勉強を嫌っていたご様子でしたが、今回の授業を逃げずに受けてくださったことは大きな進歩だと思われます。
今後は授業中に寝ることがないよう集中力とやる気の持続力をつけることが課題です。

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王子達の報告書を書き上げると、日が傾いて暗くなりかけていた。
……そろそろ夕食の時間だっけ。
夕食を自室に運んできてくださるなんて、なんて贅沢だろうと思う。

しかし、気がかりなことが一つある。
……今日の王子達の様子だ。
何かを隠しているのはわかるのだが、詳細は一切わからない。
……変なことじゃないといいんだけど。

コンコンッ

夕食時だから侍従さんかな？
そう思って扉を開けると、そこには兄さんとレオンハルト王子がいた。

「一体何のご用ですか、レオンハルト王子」

「ロ、ロッティも散歩にいくぞ」

「散歩ですか？」

「ロッティ、レオンハルト王子に付き合って差し上げてください」

「今日の仕事は終わったから別に構わないけど……」

「なら行くぞ！」

レオンハルト王子に手を引かれて廊下を歩きだす。
夕食までに戻ってこられるだろうか……