第2話 『妹』です ページ4
「参りましょ
私がご案内しますわ」
「ありがとうございます!」
「ご厚意痛み入ります」
「ハ……ハイネ先生……ロッティ先生って……」
「ま……まさか……」
どうやら気づいたらしい二人に私は微笑む。
すると更に強張ってしまった。
……心なしか頬が赤いような?
ちょっと意地悪しすぎたかな……
(か……可愛い///)
(癒しだ……!///)
「申し遅れました。
私どもは本日より王室教師に着任しました、ハイネ・ヴィトゲンシュタイン……
ちなみに私はこれでも、れっきとした成人男性です」
「あ、私は『妹』のロッティ・ヴィトゲンシュタインです。
これからよろしくお願いしますね!」
兄さんの自己紹介から段々青ざめていく門番さん二人。
そして極めつけは私の「妹」宣言。
それがトドメになったのは一目瞭然だった。
……まぁ事実はちゃんと伝えないとね?
「「たっ大変失礼致しましたああッ!」」
それは見事な土下座でしたよ(笑)
そして王太妃殿下に案内していただくことに。
「ごめんなさいね……
私が言っておけばこんな失礼は……」
「いいえ、どうぞお気になさらず。
子供と間違われることは慣れておりますので……」
って言ってる兄さんのほっぺたは膨らんでるんだけどね?
凄く気にしてるじゃない……
「……ほら、兄さんそろそろ機嫌直して……」
「わかってますよ……
しかし今回国王陛下直々にお手紙を頂き、大変驚いております」
「え?」
「それは確かに。
貴族でもないただの庶民の私どもを王室へ招いてくださるだなんて……」
まぁ兄さんは頭が良いからわからないでもないけれど、私までお誘いを受けるなんて思ってもいなかったし……
「そんな……先生方は大変優秀な教師だと、国王から伺っておりますわ。
特別に実力を認められたのではございませんか」
……特別に……
そうなのだろうか?
確かに兄さんは優秀だと思う。妹として誇りに思うくらいに。
でも私はどうだろう?
……私は、兄さんみたいに優秀じゃない。
ただ、美術が得意で会話も口達者なだけだ。
兄さんがいれば十分なのに、私も呼び寄せたのには意味があるのだろうか……?
――――ロッティ・ヴィトゲンシュタイン殿
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cocolove420(プロフ) - あの・・・名前変換にできませんか? (2017年6月15日 2時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華憐 | 作成日時:2017年5月12日 3時