【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ30)

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第27話初めてのページ30

「おはようございます、ハイネ先生。お目覚めの時刻ですよ……ってあら？
ロッティ先生……？」

「……んっ……」

声がして、起き上がる。
眼鏡をかけると、そこには侍従の方がいらっしゃった。

「あ、おはようございます」

「おはようございます……あの、昨晩はお楽しみで……？」

「えっゲフゲフっ」

むせてしまった。
お楽しみって何でそうなる……と思ったけど、昨日兄さんの部屋で寝たことを思い出した。つまりここは兄さんの部屋だ。
……それでも兄妹どうしでそんな関係になったら、教師ということも相まって禁断にもほどがあるでしょうに。

「冗談もほどほどにしてください……」

「で、ですよね！……それではハイネ先生はどちらに？」

「兄さん？兄さんは隣で」

寝てるはずだけど……
そう思って後ろを見たら、いなかった。

「……兄さん？」

もしかして……と思い、侍従さんと一緒にベッドの隙間を見ると、案の定みっちり挟まっていた。

「「兄さんー！！/先生ー！！」」

朝から私と侍従さんの声が響き渡った。

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兄さんを救出し、着替えや授業に必要なものをもって歩いていると、侍従さん達が噂をしていた。

「うふふ、ちびっこ先生と妹先生だわ～」
「昨日は妹先生と一緒に寝てたんだって！」
「あらあら仲が良いのねぇ～！」
「それにちびっ子先生はベッドのみぞにはまってたって♥」
「「かわいー♥」」

「……兄さん、大丈夫？」

「いえ……寝返りをうった時、まさかみぞに落ちるとは思いませんでした。熟睡していたロッティを起こすわけにもいきませんでしたし……」

「ごめんなさい、私がベッドを半分占領していたから……」

「いえいえ。ですが住み込みで働く以上、私たちも貴族の生活に適応しなければなりませんね……
それより、貴女にとって初めての授業ですが大丈夫ですか？」

「兄さんがいるから大丈夫！
……って言いたいけど、正直不安だよ。初めて教師として教えるのが王子だなんて思っていなかったし……」

そう、何を隠そう私は教師をするのは今回が初めてだ。
兄さんみたいにちゃんと教師をやれているだろうか、って不安に思う。
でも王室教師としてお呼ばれした以上精一杯頑張るつもりだ。

「……ロッティならきっと心配ありませんよ。
では、行きましょうか」

「うん」

ドキドキしながら、レオンハルト王子の部屋をノックした。