第22話 王子面談―カイ2― ページ25
「あ、でも食べるのは好き……」
「聞いてませんけど……」
「もう、兄さん聞いてあげて」
息するのがだるいと仰った王子が話してくださっているんだから。
「新しい……先生……ふにふに好き……?」
私を見て質問してきた。
もしかしてさっきのことを言っているのかな?
「ふにふにが……というより、動物そのものが好きですね。だって可愛いじゃないですか……!」
あわよくば、さっきの犬……確か王子が『シャドウ』って呼んでたっけ?の毛ももふもふしたい……なんて思っていたり。
「あ……先生達……あの雲……リンゴの形してる……」
「あら、美味しそうですね!」
「……え、ええ……」
……?
「兄さん、どうかした?」
「えっと……王子、今私達を睨んだのでは……?」
「??」
ああ、そういうことね。
「兄さん違うよ。多分カイ王子は目つきが鋭いせいで、普通にしていても『睨んでる』って兄さんみたいに勘違いをされてしまうんだと思う。そうですよね、カイ王子?」
「……」(コクッ)
やっぱり……
「なるほど……訂正はされないのですか?」
「この目つき、生まれつきだし……俺……口下手だから。
第一印象で駄目なら……多分仲良くなるの……無理……」
カイ王子……
「ところでなぜ先程から私たちの手をふにふにしておられるのですか」
それは私も思ってたよ、兄さん。
でもツッコんだら負けかなって……←
「では私たちのことを睨んだのではなく、敵意があるわけでもないのですね」
「自己紹介の時に『よろしく』って挨拶してくださったから、敵意は元々なかったよ」
「そうでしたか。それは失礼致しました。」
兄さんの誤解が解けたみたいでよかった!
「俺は……新しい先生達嬉しい……
俺に話しかけて……笑いかけてくれた……
先生達が……初めて……
嬉しい……」
「ええ、私もお会いできて嬉しいですよ!」
「ハイネ先生……それテスト……?俺に……?」
「あ、ええ。お願い致します」
―数分後―
「ハイネ先生……ロッティ先生……
俺も……弟達も……世話になる……
よろしく……」
「「こちらこそ/!」」
テストの回答を受け取って、その場を後にした。
「この情報は当てになりませんでしたね」
兄さんがファイルを見ながらそう言う。
「ゴメン、そうだね……でも」
ビリッ
私は無理やり紙を破いた。
「一から作り直せばいいと思う」
「ええ、そうですね」
私たちは改めて教師として気を引き締めたのだった。
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cocolove420(プロフ) - あの・・・名前変換にできませんか? (2017年6月15日 2時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華憐 | 作成日時:2017年5月12日 3時