【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ23)

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第20話王子面談―リヒト3― ページ23

「あの、しゃべってないでちゃんとやってください」

「だってもうできてるし」

「なんと」

途中で手が止まったなって思ってたけど、何だ終わってたのか。

「あっという間に終わりましたし、やればできるじゃないですか！」

「うん、よく言われる！」

「ならば最初から真面目にやってください無駄にした時間返してほしいです本当」

一息で怒った！？
しかし兄さんがリヒト王子に持つ印象は最悪な気が……
これからこの二人、大丈夫だろうか……

「それでは、私たちは残る王子の元へ参りますので」

「もう次に行くの？」

「ええ、時間の無駄ですから」

「あっ待って待って、ちょっとしつもーん」

「なんでしょう。先ほどのご質問はお答えしませんが」

「あーそれも気になるけど、じゃなくってー

ぶっちゃけセンセー達って何者？」

ドクンッ……

リヒト王子……一体急に何を――――

「…………それはどういう意味でしょうか」

「王室に招かれるだけあって、今までの王室教師って博士とか有名で肩書きのある人たちばっかなんだよね
でもハイネ・ヴィトゲンシュタインやロッティ・ヴィトゲンシュタインなんて聞いたことない

じゃあ父上の個人的な口利きなのかな……って」

「「―――――――ッ」」

ドクンッドクンッ……

やっぱり……リヒト王子もそう思うんだ。
でも私は国王陛下にあったことはない。
もし口利きできたとするならば、兄さんだ。
……兄さんは本当に一体……

「ま、俺博士の名前なんて全然知らないけど！

あーごめんごめん、センセー達も多分どっかで何かの賞とった有名な学者さんとかなんでしょ？
俺全然興味ないから知らないんだ～悪いね～っ」

さっきまで張り詰めてた空気がいっぺん、崩れてしまった。
……さっきのリヒト王子、一体何だったのだろう……

「王子～お姉様～お話終わった～？」

「あら、どうしたの。そんな深刻そうな顔をして」

「お姉様も、お顔が優れませんわよ？」

「……いえ」

「大丈夫です、ご心配をお掛けしました」

「ちょっと今三人で真剣な話をしてたとこ、ね！
センセー達のあんなことやこんなこと♥
大人の悩み♥を「教育的指導！！」あてっ」

「……じゃ、また後でね。
ハイネセンセー、ロッティセンセー」

「「失礼します」」

さっきのリヒト王子の態度は気になるけれど、それよりも兄さんのことが気になった。
……いや、兄さんは兄さんだよね……？

気にしないようにして、最後の面談に向かった――