【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ19)

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第16話王子面談―ブルーノ3― ページ19

「さて、次の勝負はなんでしょう」

「人が考えている間に五段タワー……
どれだけ余裕なんだ……」

んーまあ暇だったから？←
兄さんが作り始めたので私も一緒に作っていたところだ。

「さぁ、次は自作の問題を解いてもらおうか！
あらゆる分野の難問100題、その上問題文は5か国語ランダムで書かれている」

そう言って机に紙を置かれる。
うわぁ……これはめんどくさいな。
それに口語ではないから少し解くのに時間ががかかりそう……。

「流石の貴殿らも簡単には……」

「できました」

「兄さん早っ……あ、ブルーノ王子。
後2/3で終わりますので、先に兄さんの解答を採点してあげてください」

「ちなみに57問目問題文のフォンセーヌ語が一ヶ所スペルミスでしたよ」

「え、本当それ……ああ、なるほど！
口語なら間違えないのでしょうが、文語だとややこしいですよね、わかります」

私も話すことは得意だけど、書くことは別段得意というわけではないから、たまに間違えることがあるんだよねー……
とか考えているうちに解き終わった。

「はい、終わりました」

ブルーノ王子が受け取り私の解答用紙を採点していると、ブルブル震えて崩れ落ちた。

「ブルーノ王子……？」

もしかして、点数が悪かったとか……？
幾つか分からなくて解答していないものもあるけれど、殆ど埋めたはずだ。
そこまで悪い点をとるような解答ではなかったと思ったんだけどな……？

―ブルーノSide―

……兄の方は全問正解だった。
妹の方も、全問正解ではなかったが90点以上と予想を上回る高得点だった。

……駄目だ。二人に何をしても勝つことができない……
兄は圧倒的な実力……時に強力な運を呼び寄せる。
これが本物の天才というものか……ッ
妹も兄の天才という光に隠れがちだが、彼女もまた秀才……！

幼い頃から誰にも負けたくなくて、勉学や教養、音楽に至るまで全て人並み以上にできるよう努力してきたというのに――――
自分は一体―――――

―ロッティSide―

「おや、これは君の論文ですか？」

兄さんが机の上の紙束を見て質問する。
ああ、そういえば私たちが来る前まで論文を書き上げていたんだっけ。

「あ、ああ、そうだが……」

兄さんが論文を手にとって読み始める。
私もどんな内容か気になったので横から見た。

「グランツライヒ王国の近代国家としての基礎理念について……」