【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ17)

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第14話王子面談―ブルーノ1― ページ17

――――第三王子ブルーノ 16歳
幼い頃から頭脳明晰で天才と称えられてきた非凡な知性をもつ王子
数々の論文を発表しており、若くして社会学と哲学を専門とする学者の卵である――――

……これは当てにしていいんだろうか。
私が集めたものだけど、事実と随分違う気がする。
……でもブルーノ王子は頭が良さそうな人みたいだったからなぁ。初見のイメージだけど。
情報通りならテストは普通に受けてくださるだろうけど、問題はコミュニケーションの方だ。
レオンハルト王子ほどではないにしろ、教師……というよりも学歴を気にしていたようだし。
学歴なんてただの基準で、学力とは関係ないでしょうに。
兄さんを見ているとそう思うんだけど、やっぱり普通は学歴が大事なのだろうか……
ブルーノ王子とも仲良くなれるといいんだけどな。
そんなことを思っていたら、ブルーノ王子の部屋に着いた。

コンコンッ
ガチャッ

「ようこそ、王室教師殿。
そこにかけてくれ」

部屋の中に入ると、整理されていて綺麗な部屋だと思った。
兄さんもこんな風に片付けられたらいいのに……なんて感想を持ちながらソファーに腰を掛ける。

「実力テストを受けていただきたいのですが」

「了解した」

……スムーズすぎるっ！
さっきは何だったのかというほどすんなり実力テストを受けてくださった。

さて、問題は次……

「突然で失礼だが、貴殿らの実力も試させてもらいたい」

「「試す？」」

「大学へ行ってない王室教師がどれほど優秀なのかとな。
今まで来た教師は自分より全ての劣っていた。
もし貴殿らもそうならば、即刻お帰りいただきたく思う」

いきなり敵意むき出しで勝負を挑んでくるなんて……
どうしようか……ここで逃げたら彼より劣っていると勘違いされそうだ。
でもだからといってこちらも応戦したところでとりわけ得があるわけでも……

「それにこちらは不安なんだ。
新しい王室教師がまさかこんなに"小さい"とは思わなかったのでな。
もう一人はそんな兄に勉学を教えてもらったと言っているし、たかが知れていそうだ」

「よろしいでしょう。どんなことでもかかってきなさい」

兄さん『小さい』って単語に反応して……結構いい大人でしょうに。
でもま、

「私はともかく、兄さんの侮辱は許しませんよ。
兄さんもやる気のようですし、私もその挑戦、受けましょう」