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開場時間になった。
今日は最前列に行けるくらい良い番号だったけど、
私はライブハウスに入るなり、1番後ろへ向かった。


武正側の。


今日は全体を見てみたいから後ろに下がった、なんて言ったら嘘になる。

武正に見つからないようにするため。
そして、武正側にいる私に義勝が気がつかないようにするためだった。





影アナが入り、間も無くSEが流れ、メンバーが出てくる。





「あっ、武正」





そこにいたのはいつもの笑顔の武正だった。
ライブが始まるなり、彼はギターを弾きながらステージを暴れる。
彼のギターソロの度に客席側から歓声があがる。





いつから、あんなに遠くなっちゃったんだろう。


ちょっと前までは、
彼は毎日のようにSAKAEYAに通ってくれて、いつも店先で立ち話をして笑いが絶えなかったり
いつもLINEで武正がKEYTALKのオフショットを送ってくれて返信をいつも楽しみにしてたり





武正が、遠いよ。





でも、そんなのは元からだったのかもしれない。

これが、アーティストとファンの関係。


2人が交わることは、ない。






「うっ....うぅ......たけまさっ.......」






私は気づいたらぼろぼろ泣いていた。
ステージの上にいるメンバーにばれてしまわないように、必死に拭った。
それでも止まらない私の涙。



曲が演奏され終わってMCに入った時に、
私はそのままライブハウスを出てしまった。






______________________________


家に帰り着くと、ちょうどライブが終演されるくらいの時間になっていた。
ここに帰り着くまで、たくさんの人の視線を感じた。
きっとひどい顔をしていたんだろうなぁ...


気分を変えようとシャワーを浴びた。
あがると武正からLINEの通知が届いていた。







【A今日うしろで観てた?
後半泣いて、出て行っちゃってたよね...?
心配になってLINEしちゃった】







ばれてるじゃんか...

私は未読無視して、そのままリビングで眠りに落ちた。

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設定タグ:KEYTALK , 小野武正 , 首藤義勝   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ゆずぽん | 作成日時:2016年2月28日 23時

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