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「おはよ、たけ」
「あ巨匠...おはよう」
「元気ないけど大丈夫?無理すんなよ」
「うす、ありがとう」
今日は新曲の発売日でタワレコ巡りに行く。
表題曲は以前ライブで初披露した、義勝が作った片思いの曲。
歌詞にAちゃんを重ねてみるけど、義勝が書いたものだから何か複雑。
まぁ作った当時はAちゃんとはまだ出逢ってない訳なんだけど。
KOGARECORDSに4人全員揃い、そろそろ出発しようかとみんな準備を始める。
けれど。
義勝はここに到着してからずっと携帯をいじってて、あまり動こうとしない。
「義勝ー、そろそろ行くよ?何してんの?」
「あ、Aちゃんと連絡とってる!もーちょい待って」
ドタッ
「義勝さ何なの?俺がAちゃんのこと好きって知ってるくせに俺とAちゃんを離そうとするしさ、応援してくれるんじゃねぇの?」
「武正!落ち着いて」
「おいやめろって」
俺は普段の自分とは正反対の形相で義勝の前に立ち問いかける。
そんな俺を見て。巨匠と八木氏は俺と義勝に距離をとらせた。
「なんでかって?そんなのAちゃんが好きだからに決まってるでしょ?」
「なっ...」
「ごめんね武正、俺Aちゃんに一目惚れしたんだよね。どっちが先に自分のものにできるか、勝負だね」
義勝はそう言い捨てて、さっと外に出る準備をした。
「時間なんでしょ?」
「じゃあ...そろそろ行こうか」
「うん...」
その後、義勝は俺に普段通り話しかけてきたりしてくれたけど、
俺は適当な返事で受け流した。
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作者名:ゆずぽん | 作成日時:2016年2月28日 23時