87話 ページ46
ここは保須市近くの繁華街。
暗くなりかけた街は街灯に照らされ始めてオレンジ色に染っていく。
昼過ぎからエンデヴァー、焦凍くんと一緒にパトロールに出ていた私だが、今もひと仕事を終えてそろそろ事務所に戻ろうかという雰囲気になりかけた頃。
私の腰周りにかけているミニポーチのスマホが小さく震えていることに気付いた。
貴｢…あれ、緑谷くんからLINE入ってる。しかもグループに位置情報の地図だけ…？｣
焦｢俺もだ。…何かあったのかもしれねぇな｣
確かにマメな緑谷くんが送ってきたものとは思えないくらいの、余りにも情報がなさ過ぎる連絡。位置情報の地図しか送れないくらいの事件か事故に巻き込まれているとしたら…
ここで私の脳裏に最悪の事態が流れ込んできた。そうだ、そう言えば、保須市って確か飯田くんのお兄さんを襲った凶悪犯が潜んでるって話…
そうだよ、体育祭後に私も聞いたじゃないか。インゲニウムの残酷な現実を。そして飯田くんの職場体験先は…保須市にあるマニュアル事務所。待って、凄く嫌な予感がする。
貴｢…まさか｣
炎｢焦凍ォ！A！携帯ではなく俺を見ろォォ！！｣
貴｢炎司叔父さん！お願いがある！今から動けるプロヒーローを出来るだけ多く集めて欲しいの！！友達が、ピンチかもしれない！！｣
炎｢む、それはどう言う…おい！どこに行くのだ！｣
焦｢今Aが言った通りだ。俺たちは友達を助けに行く｣
飯田くんはお兄さんを傷付けた犯人…ステインを憎んでるんだ。憎んで、殺したくて、どうしようもないドロドロしたものに溺れてしまっている。もっと気にかけてあげれば良かった、それなのに私は…！
暫く走ったその先で、私の脳裏に流れた"最悪の事態"が現実となっていた。先に走っていた焦凍くんが緑谷くんに襲いかかろうとしていたステインに向け左の炎を放出した。
貴｢はぁ、はぁ…っ、遅くなってごめん！助けに来た！！｣
焦｢緑谷、ああいうのはもっと詳しく書け。遅くなっちまっただろ｣
出｢轟くん、玉石さん…！！｣
赤いバンダナを頭に巻き不気味に佇むその人物。彼こそヒーロー殺しステインで間違いないだろうが、そこにあるのは確かな殺意。奥から伝わってくる狂気は静かに私たちを睨みつけていた。
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shelllove31(プロフ) - この作品は本当に面白くて！これからも応援してます！！ (10月18日 15時) (
レス) @page2 id: 306f7ebf5d (このIDを非表示/違反報告)
yuumin - この作品は神です！ 設定とか考えるのは難しいですよね・・・。 レーズンさんのほかの作品も読みたくなりました！ 頑張ってください。 (2022年11月24日 13時) (レス) @page2 id: a4f8ad7b79 (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - ひまさんさん» コメントありがとうございます！ひぇ、小説も絵も褒めて頂けるなんてめちゃめちゃ嬉しいです…！悔いのないように最後まで更新頑張るので、これからも宜しくお願いします！ (2021年9月5日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - リッパーさん» お返事遅くなってしまってすみませんでした…コメントありがとうございます！面白いと言って貰えて本当に嬉しいです。最後まで更新頑張るので、これからもどうか宜しくお願いします…！ (2021年9月5日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
ひまさん - あと、絵がとても上手ですね！羨ましいです。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 753d3bcd80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レーズン | 作成日時：2020年11月8日 17時
