81話 ページ40
貴｢はぁ…全く、酷い目に遭った｣
焦｢大丈夫か、A｣
貴｢何とか生きてる…女子って怖い…｣
焦｢？お前も女子だろ？｣
あぁ…こんなところで天然発揮しないでくれ我が従姉弟よ…。
午前の授業が終わった途端、三奈ちゃんたちにコテンパンに搾られ、折角の昼休みなのに私はと言うと図書室の机に額を付けて突っ伏していた。
焦｢でも朝のアレは俺も付き合ってんのかと思った｣
貴｢も〜焦凍くんまで…そんなの絶対有り得ないからほんと…｣
確かに前世は友人がいなければ男もおらず、恋愛的な意味で漫画の世界の爆豪勝己くんに惚れていた。しかし、それはあくまで自分の妄想に過ぎなかった。今世で顔を合わせてしまったなら話は別である。
誰よりも自尊心が高くて、恵まれた強個性を持っていながらも、天狗にならず努力することを怠らない。言動はヴィランっぽいし、正直初見は怖いキャラだな…って思ってたけど、今はそんな努力家で負けず嫌いな彼を尊敬している。
私はそんな彼の邪魔だけはしたくない。勿論彼だけでなくクラスメイトでも同じことが言える。
"本来なら"いないはずの"私"。私1人の身勝手な言動で大好きなこの世界が壊れてしまうこともあるかもしれない。恋愛云々の前に、キャラたちの進むべき道を阻むような身勝手な言動だけは避けたいというのが私の本音だ。
とは言っても全てを正直に話せるわけはないので、これだけは"偽らせてもらう"けど。
貴｢私、今まで恋愛とかしたことなくてさ。何だろう、上手く言えないんだけど、誰かを愛するって機会がなかったから、人を愛する方法が分からないっていうか…あ〜この気持ち言葉にすんの難しい〜！
…まぁズバッと言っちゃえば、今の私に恋愛は無縁ってことかな！｣
焦｢…そっか｣
中々腑に落ちんと言いたげな顔をされたけど、そんな顔されたって付き合ってないのは事実ですしおすし。
前世の青春時代は全て学業に費やしていたし、今世だって異性の関わりといえば従姉弟である燈矢兄ちゃんと夏雄くんと焦凍くん、そして幼馴染みの人使くんのみ。皆には決して言えない本当の理由を隠していても、さっき言ったことはあながち間違ってないんじゃなかろうか。
よし！だったらそれが本音ってことにしちゃっても多少は許されるよね！！
この時の私はまだ知らなかった。
本当の理由を言わなかったことにより、今後最大の試練が訪れるなんて。
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shelllove31(プロフ) - この作品は本当に面白くて！これからも応援してます！！ (10月18日 15時) (
レス) @page2 id: 306f7ebf5d (このIDを非表示/違反報告)
yuumin - この作品は神です！ 設定とか考えるのは難しいですよね・・・。 レーズンさんのほかの作品も読みたくなりました！ 頑張ってください。 (2022年11月24日 13時) (レス) @page2 id: a4f8ad7b79 (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - ひまさんさん» コメントありがとうございます！ひぇ、小説も絵も褒めて頂けるなんてめちゃめちゃ嬉しいです…！悔いのないように最後まで更新頑張るので、これからも宜しくお願いします！ (2021年9月5日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - リッパーさん» お返事遅くなってしまってすみませんでした…コメントありがとうございます！面白いと言って貰えて本当に嬉しいです。最後まで更新頑張るので、これからもどうか宜しくお願いします…！ (2021年9月5日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
ひまさん - あと、絵がとても上手ですね！羨ましいです。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 753d3bcd80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レーズン | 作成日時：2020年11月8日 17時
