71話 ページ30
体育祭の次の日。私たち生徒は休学である。
この日の私は朝早くから物凄くドキドキしていた。
母｢…A。貴方の覚悟は昨日聞いたけれど…本当に大丈夫なの？｣
貴｢んん〜、まぁ正直なところちょっとだけ怖いかな。でも、昨日の焦凍くんの話聞いてたら大丈夫な気がするんだよね｣
母｢そう…。Aも大きくなったのね｣
暫く待っていると家のインターフォンが鳴り響く。ちょうど私も身支度が終わったところだったため、返事をしながら玄関を開けた。
焦｢おはよ｣
貴｢おっ、おはよう！お母さん！焦凍くん来たから行ってくるね！！｣
母｢行ってらっしゃい、気を付けるのよ。…焦凍くん、長い間本当にごめんなさい。どうか、Aを宜しく頼むわね｣
焦｢はい。…じゃあ行くか｣
私は今日、失っていた10年分全ての時間を取り戻しに行く。
焦｢お前が突然いなくなってからも、姉さんと夏兄がずっと会いたがってたぞ｣
貴｢あ〜そっか、2人にもずっと会ってなかったもんね。燈矢兄ちゃんは？｣
聞いて少し後悔した。焦凍くんの顔色が一瞬曇ったから。
前にも言ったけど、残念なことに私は4巻までしかヒロアカのストーリーを知らない。だから、焦凍くんが言い淀んでいる理由すら予測することは叶わなかった。
焦｢…燈矢兄は、俺が小学生の頃に事故で亡くなっちまったんだ｣
貴｢…え｣
原作でも轟燈矢は亡くなったとされていたのだろうか。そんな、そんなことって。
10年振りにやっと皆に会えると思っていたのに。燈矢兄ちゃんだけそれが叶わなくなってしまった。でも、今更悔やんだところで時間は戻ってこない。
貴｢…そっか、話してくれてありがとう。燈矢兄ちゃんにも冬美ちゃんにも夏雄くんにも…ちゃんと会って話すよ、私は｣
私とて並大抵の覚悟を決めていなければここに立っていないのだから。静岡ら辺にそびえ立つ日本家屋を目の前にし、しっかりした足取りで焦凍くんの後ろをついて歩いた。
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shelllove31(プロフ) - この作品は本当に面白くて！これからも応援してます！！ (10月18日 15時) (
レス) @page2 id: 306f7ebf5d (このIDを非表示/違反報告)
yuumin - この作品は神です！ 設定とか考えるのは難しいですよね・・・。 レーズンさんのほかの作品も読みたくなりました！ 頑張ってください。 (2022年11月24日 13時) (レス) @page2 id: a4f8ad7b79 (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - ひまさんさん» コメントありがとうございます！ひぇ、小説も絵も褒めて頂けるなんてめちゃめちゃ嬉しいです…！悔いのないように最後まで更新頑張るので、これからも宜しくお願いします！ (2021年9月5日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - リッパーさん» お返事遅くなってしまってすみませんでした…コメントありがとうございます！面白いと言って貰えて本当に嬉しいです。最後まで更新頑張るので、これからもどうか宜しくお願いします…！ (2021年9月5日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
ひまさん - あと、絵がとても上手ですね！羨ましいです。 (2021年9月3日 22時) (レス) id: 753d3bcd80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レーズン | 作成日時：2020年11月8日 17時
