53話(焦凍side) ページ9
病室はそれぞれ個室になっており、扉を開けるとAのものと思われる小さめの鼻歌が聞こえてきた。
焦「ふ、随分とご機嫌だな。おはようA」
貴「あ！おはよう焦凍くん！…と、上鳴くんに瀬呂くんまで！？どしたの二人とも！」
ご機嫌な様子でどうやらスケッチブックに何かを描き込んでいたらしい。俺たち三人に気付いたAの視線がスケッチブックから逸れる。
上「はよ〜Aちゃん！実は俺らもAちゃんのお見舞いに行きたかったからさ、轟にお願いして連れてきてもらったんだ！」
瀬「文句なしジャンケンとかして朝から壮絶な戦いだったよな〜。三人までに絞るの、結構大変だったわ」
貴「えっ、そうなの！？ええ、気にしてくれてありがとう。皆にもお礼伝えといてくれる？」
上「おう！任せとけ！！」
そこまで会話をしてハッとしたAがいそいそとスケッチブックを閉じていたが、目聡い上鳴がその行為に気付いてしまい声を掛けた。
上「ところでそれ、何か描いてたん？」
貴「あはは、ちょっとね。この前の文化祭楽しかったから絵にして残そうと思って！」
上「え！見たい！」
貴「まだ完成してないから、完成したら写メしてグループに送るよ」
瀬「へ〜。そういや虹川ちゃん絵がすんごい上手だって轟が絶賛してたから楽しみだな〜！」
貴「え、言ったの？」
焦「？上手いのは事実だろ？きっとアイツら、喜ぶと思うぞ」
顔を真っ赤にして顔半分をスケブで隠すその仕草が可愛らしくてつい笑みを零す。もう長くは生きられないかもしれないと医師から告げられ、ずっと元気がなかったAを励ましたいと無茶を承知で相澤先生に直談判したあの日。正直な話、自分たちのエゴかもしれないと思っていたが、それは杞憂だったようで、思っていた以上にAは文化祭を楽しんでくれていたらしい。その事実に俺は安堵の息を漏らした。
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レーズン(プロフ) - ユリの花さん» コメントありがとうございます！感動してもらえて良かったです…！ハンカチをどうぞ！(？？)3部も更新始まりましたので、是非最後まで宜しくお願いします ー！ (2021年8月23日 22時) (
レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
ユリの花(プロフ) - もう途中から泣きながら読んでました…。続きが楽しみです。頑張って下さい！ (2021年8月23日 0時) (レス) id: 871fb938ae (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - あいのみさん» コメントありがとうございます！うわああああハンカチをどうぞ！(？？)好き嫌い別れそうなこの作品をここまで読んでくださり本当に嬉しいです…！でもまだ3部がありますので、もし良ければ3部の方も宜しくお願いしますっ！！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - なつみさん» コメントありがとうございます！あっやっぱり書いてた方がいいですかね！？生きるのか否か予想しながら読む人もいるかと思って「好き嫌い別れます」とだけ書いてたんですが…そうですよね、はっきり書いた方が分かりやすいですからね…！ご指摘もありがとうございます。 (2021年8月22日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - 浜辺海さん» コメントありがとうございます！予想してくださってるの凄く嬉しいです！ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、何があるかは是非3部で確認して頂けたらと思います！読んで下さり本当にありがとうございます！！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レーズン | 作成日時：2021年8月21日 23時
