30話(焦凍side) ページ32
泣き疲れたのか、Aはその後すぐ寝落ちてしまった。十五歳の少女に言い渡された残酷な報せ。…何か俺に出来ることはないのだろうか。今までの全てが偽りの笑顔だったとしても、一度くらいは心の底から笑って欲しい。
ふとここで俺は、とあることを思い付いた。そうだ、そういえばもうすぐアレがある。今年からヴィラン対策で一般人は入場不可になってしまったが、相澤先生に相談したら何とかしてくれるかもしれない。
焦｢悪い。そろそろ帰る｣
妹｢あ、うん。その、来てくれてありがとう。お姉ちゃんも多分、目が覚めた時に轟さんがいたから嬉しかったんじゃないかな。
気を付けてね｣
焦｢ああ、ありがとう。…うん、そうだといいな。それじゃあ｣
気が付けば時計の針は十二時を指しており、どうりで腹が空いたはずだとコンビニでパンを買って駅へ向かった。まずは一度、緑谷にもこのことを伝えておかないとだな。
＊
切｢あ！轟帰ってきた！お前大丈夫か！？｣
上｢朝一で血相変えて飛び出してったお前を見かけた奴らが心配してたぞ、何かあった？｣
寮の扉を開ければ共有スペースで数人のクラスメイトが集まっているのが見え、何か異常事態があったのかと切島と上鳴がここまで駆け付けてきた。
焦｢…いや、友達が少しな。なぁ、緑谷って今どこいるか知らねぇか？｣
芦｢緑谷？緑谷なら相澤先生のとこじゃない？｣
梅｢そう言えばさっき、エリちゃんと手を繋いで歩いてる緑谷ちゃんを見かけたわ。広場の方へ向かっていたから、今はそこにいるんじゃないかしら｣
心当たりのある者が次々と緑谷がいそうな居場所を口にする。エリちゃん…あぁ、緑谷がインターンでヤクザの親玉から救けたと言っていた少女か。クラスメイトからの助言を貰った俺は｢ありがとう｣とだけ言って広場の方へ向かった。
芦｢…轟さぁ、何があったんだろうね｣
上｢前に母親が入院してるっつー話はしてたけどなぁ…｣
切｢けどさっきは"友達が〜"とか言ってたぞ？小、中学時代のダチに何かあったとか…？｣
梅｢帰ってきた時元気もあまりなかったわね。轟ちゃん、あまり思い詰めていないと良いけれど…｣
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レーズン(プロフ) - 雨色の水滴さん» コメント、応援ありがとうございます！私にしては珍しくギャグじゃないのでおかしくないか不安だったんですが、感動しましたとその言葉で嬉しくてつい顔がニヤけてしまいました…←これからもどうか宜しくお願いします！ (2021年8月22日 11時) (
レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - めっちゃ感動しました!!応援してます!! (2021年8月22日 0時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - 名無し35021号さん» コメントありがとうございます！深夜テンションとかいうノリで出したのですが温かいコメントでめちゃくちゃ励みになりました！時間が許す限り更新していくので、これからもこの作品を宜しくお願いします！ (2021年8月21日 21時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
名無し35021号(プロフ) - 初コメ失礼します。もうめちゃくちゃ感動します！続きが楽しみになるような作品で面白いです！これから無理しない程度に頑張ってください！応援してます。 (2021年8月21日 18時) (レス) id: b931d3e819 (このIDを非表示/違反報告)
レーズン(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！うわあああそう言って頂けると凄く励みになりますっ！最近中々出歩けないですからね…(泣)お知らせでも言いましたが時間が許す限り更新していくので、これからもこの作品を宜しくお願いします！ (2021年8月21日 16時) (レス) id: ec6c9ca54e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レーズン | 作成日時：2021年8月21日 0時
