【ヒロアカ】遠目で推しを眺めていたら大変なことになった【ホークス】

11話 ページ13

思ったより沢山新作が出ていたため少々買いすぎてしまった。でも可愛いからカッコいいまで幅広い表情を見せるホークスのグッズが買えたから後悔はない。店長にバイトのシフト増やしてもらわなきゃ。

この時の私は浮かれていて、後ろの人影に全く気付いていなかった。

突然、背後から何者かに抱き締められて首元に刃物が突きつけられた。あまりの出来事にﾋｭｯと渇いた息が出る。

『動くなよ、動いたら死ぬと思え』

貴｢ひっ……っ｣

足がすくんで動けず、恐怖から血の気が引いていく。わっ、私、こんなガラ悪い人に狙われるようなことした覚えないんですけど！？

『俺はなぁ、今かなり困ってんだよ。なぁ嬢ちゃん、ちょっとばかり匿ってくんね？』

貴｢……へっ？｣

『ああ、拒否ったらどうなるかは分かるよなぁ？』

ぐっと手に力を入れられ首元が少し切れた気がする。人は本当の恐怖に出遭ったら叫べなくなるって本当なんだ…。現実逃避してる場合じゃない、早く、早くはいって言わなきゃ…

言わなきゃいけないのに、声が出ない。いやだ、怖い…っ、誰か、誰か助けて……！！

『っと、もう来やがった。残念だよ、タイムオーバーだ。"殺人鬼"に絡まれるとは不幸だったなぁ嬢ちゃん。じゃ、綺麗に俺の手の中で死んでくれよ』

まって、やだ、私、まだやり残したこといっぱいあるのに…っ、死にたくない……！

ギュッと目を閉じて、来るであろう痛みに備えていたが、

一向にやって来なかった痛み。

『がっ、ぁ…！？』

貴｢きゃっ！？！？｣

"速すぎて"何が起きたのか一瞬分からなかったけど、

恐怖から座り込んだ私の目の前では赤い羽根が飛び回り、私を襲ったであろう犯人は伸びて気絶していた。

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