88話。貴方side ページ39
箕｢何を言い出すかと思えば。探偵って奴は口先だけの阿呆なのか？｣
箕浦さんはまったく信じていないようだ。
一般人に渡すのが駄目ならば箕浦さんに乱歩さん立ち会いのもとで調べてもらえばいいのだし、拳銃は調べることができるだろう。
江｢その銃を調べて何も出てこなければたしかに僕は、口先だけの阿呆ってことになる。｣
箕｢貴様の舌先三寸はもう沢山だ。杉本、見せてやれ。｣
杉｢ですが、｣
箕浦さんがそう言ったが杉本さんはまだ一般人に拳銃を渡すことに抵抗があるのかもごもごとしたままで渡そうとはしない。
暴発してはいけないからか？いや、安全装置があるのだからその心配ではない。
ということは、あの拳銃が本当に犯行に使われたというのだろうか。
でも、それなら使ってしまった弾を補充すればいいのだから証拠になりそうにないと思うけど。
箕｢ここまで吠えたんだ。納得すれば大人しく帰るだろう。これ以上時間を無駄にするわけにはいかん。此奴に銃を見せてやれ。｣
杉本さんはそれでも拳銃を乱歩さんに渡さない。
そのことで箕浦さんの表情が崩れる。杉本さんのはずがないという顔から、まさかという驚きを含んだ顔に。
箕｢おい、どうした。｣
江｢いくらこの街でも、素人が銃弾を補充するのは容易じゃない。官給品の銃であれば尚更だ。｣
箕｢何を黙っている、杉本！｣
江｢彼は懸命に考えている最中だよ。使ってしまった三発分の銃弾について、どう言い訳するかをね。｣
まるでエスパーかのように乱歩さんば杉本さんの心情を読みといていく。
不思議とそれが疑わしくは思わなかった。
箕｢杉本！お前が犯人の筈がない！早く銃を見せろ！｣
その声に応答するかのように杉本さんはホルスターから拳銃を取り出そうとした。
箕｢そうだ、杉本。｣
しかし、杉本さんの行動は箕浦さんの期待を裏切るには十分すぎるほどだった。
その手に握られた拳銃は乱歩さんに向けられていた。
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空李(プロフ) - かなとさん» すみません、ご指摘ありがとうございます。 (2019年5月9日 18時) (
レス) id: 154a99d2ca (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年5月9日 18時) (レス) id: 483535372f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空李 | 作成日時：2019年5月9日 17時
