The Dinner [セカオワ・なかじん] ページ34
森の奥深く。
獣の気配なんて一切しないこの場所に、それはそびえ立つ。
それが僕たちの屋敷。
僕たちはここで、かれこれ何百年かの時を過ごしている。
何百年ってながすぎやしないか?
と思ったのもいると思うが、僕たちは決してニンゲンではない。
見た目だけ。
人様の前に出るときだけ、このような姿を現すのだ。
『ごはんっごはんっ♪』
彩織ちゃんはご機嫌のようだ。
『さぁ、なかじん、ご飯頼んだぜ』
LOVEはまだ何にも用意をしていないのに、テーブルに皿を並べ始めた。
『おいおい、まだ何にも作ってないよ?………あ』
俺はふと、アレのことを思い出した。
そういえばトランクに入れっぱなしだ。
『………しまったな…』
『ん?どうしたなかじん』
深瀬がまた、赤黒いワインを片手に話しかけてきた。
『あ、あぁ……いや……。ちょっと車に忘れ物しちゃって…。すぐに取ってくるよ』
『あぁ。あのニンゲンか?』
『そうそう…………えっ?!』
なんで知ってるんだ、深瀬が………
どういうことだ………
『実はお前が降りていった後にな………』
--------------------------------------------
『あー、腹減ったぁ』
ガタガタっ………
『ん?トランクになんか入ってるのか?』
ガチャ………
「ぷはぁっ!!!!」
『っ!!!!!!!!!!』
「もう、なんて狭いのかしら……あら?」
『お前、確かなかじんが………なんでトランクなんかに…』
「あぁ!帽子くんと一緒にいる赤毛君!!」
『俺は赤毛君じゃない。何故ココにいるのか聞いているんだ。答えろ、ニンゲン』
「ふふっ!実はね、帽子くんのことが気になって後を追っかけてたの。そしたら案の定捕まっちゃって。帽子くんにこのトランクの中に入れられちゃったの。それにしても狭い車ね。買い換えたらどうかしら?」
(なんだこのニンゲン……1歩間違えてれば、喰われてもおかしくないのに、なぜ笑ってるんだ…)
「赤毛君?聞いてる?」
『あ、あぁ…………』
-------------------------------------------
『…………ということがあってだな……ってなかじん?』
僕は自分でもよくわからないが、むしゃくしゃとして
その場を立ち去った。
The Dinner [セカオワ・なかじん]→←The Dinner [セカオワ・なかじん]
51人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あすか - ゲスの極み乙女の小説お願い致します (2017年3月17日 22時) (レス) id: 1a722e77b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rihu(プロフ) - guitarのまーくんかっこよすぎます,… (2017年2月12日 23時) (レス) id: 69d8711b64 (このIDを非表示/違反報告)
黒きゃん(プロフ) - なかじん!めっちゃ良かったですよ!!!!!!セカオワっぽいファンタジックなお話読めて嬉しいです^^ありがとうございます!!!! (2016年8月12日 3時) (レス) id: 4804dd2dcd (このIDを非表示/違反報告)
安元檎璃子(プロフ) - Polluxさん» うおおおおおおっ!!!!関西弁の彩織ちゃんみたかった……。こっちでは、LOVEさんがトークで噛みまくりでしたよwww京セラ、当たるといいですね!私も、ナゴヤドーム当選祈願です(笑) (2016年7月4日 21時) (レス) id: f98a05b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
Pollux - 安元檎璃子さん» そうでしたか!私は大阪城ホールでした!さおりちゃんが関西弁で。。えげつなく可愛かったです。ええ。来年、京セラ行けるだろうか。。welcome京セラドーム!! (2016年7月3日 22時) (レス) id: dbf963be5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:安元檎璃子 | 作成日時:2016年5月2日 2時