summer [ドロス・川上洋平] ページ29
*Your Side*
目の前にいたのは、私の大好きな人。
「よ、洋平さん…………っ」
心臓が煩い。
どくん、どくんと身体の中で音をあげる。
それがどうしても、洋平さんに聞こえてしまいそうで、怖かった。
『いやぁ、ずいぶんと探したよ』
「あ、あの…」
『そういえば、二人とも一番前に座ってくれたよね?』
「あ、はい」
『……ありがとね』
目を細めた洋平さんが私を見つめた。
「いやぁ、洋平さん、かっこよかったですよ、ほんと!」
いとこが突然、口を挟んできた。
嫉妬にも程があるだろ(笑)
と、思ったのだが、
「あ、やべ。ブースでKANA-BOONのラババン買うの忘れてた。ちょ、行ってくるわ」
それだけ言って、何故かニヤついた顔で去っていった。
てか、他のバンドの名前出してまでいうことか?(笑)
いとこがいなくなると、洋平さんと私だけの空間になった。
………かなりヤバイ………
心もたない………………。
「あの」『あのさ』
まさかの被ってしまった二人の声。
『いいよ、先』
「あ、じゃぁ先に……あの、洋平さん、今日、なんであんなに目を合わせてきたんです?」
ええい、もうどうにでもなれ。
どんな答えが返ってこようと、私は動じないぞ。
『それなんだけどさ、』
グッと構える私。
だったのだが、その答えは全く予想外のものだった。
『どうもさ、俺、君に一目惚れしたっぽくて。そんで、ちょっと今日のライブ、テンパっちゃったんだよね……』
「は、はい?」
全く状況が飲み込めない私をよそに、洋平さんは続けた。
『つまり、君が好きってこと。名前、教えてくれる?』
"好き"
という言葉でようやく状況が飲み込めた私は、自分でもわかるくらいに顔が赤く染まった。
そして、また、涙を溢した。
『突然過ぎたかもしれないんだけどさ。……返事、聞かせて?』
そんな目で見つめられたら、答えなんて一つしかないですよ。
「私、Aっていいます。私も大好きです」
『それは良かった』
洋平さんの顔も赤く染まる。
『A……』
名前を呼ばれたその瞬間、私は洋平さんの腕の中にいた。
『大好き』
こうして私の前代未聞の夏フェスが幕を閉じた。
ごめんなさい *安元檎璃子*→←summer[ドロス・川上洋平]
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あすか - ゲスの極み乙女の小説お願い致します (2017年3月17日 22時) (レス) id: 1a722e77b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rihu(プロフ) - guitarのまーくんかっこよすぎます,… (2017年2月12日 23時) (レス) id: 69d8711b64 (このIDを非表示/違反報告)
黒きゃん(プロフ) - なかじん!めっちゃ良かったですよ!!!!!!セカオワっぽいファンタジックなお話読めて嬉しいです^^ありがとうございます!!!! (2016年8月12日 3時) (レス) id: 4804dd2dcd (このIDを非表示/違反報告)
安元檎璃子(プロフ) - Polluxさん» うおおおおおおっ!!!!関西弁の彩織ちゃんみたかった……。こっちでは、LOVEさんがトークで噛みまくりでしたよwww京セラ、当たるといいですね!私も、ナゴヤドーム当選祈願です(笑) (2016年7月4日 21時) (レス) id: f98a05b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
Pollux - 安元檎璃子さん» そうでしたか!私は大阪城ホールでした!さおりちゃんが関西弁で。。えげつなく可愛かったです。ええ。来年、京セラ行けるだろうか。。welcome京セラドーム!! (2016年7月3日 22時) (レス) id: dbf963be5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:安元檎璃子 | 作成日時:2016年5月2日 2時