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盛者必衰の理、お断り。 [KB鮪] ページ2

「あ、もしもし?」


『ん?なんや、Aか…』


「私で悪かったな。
せや。聴いたで、盛者必衰。いい曲じゃん」


『あ、聴いてくれたん?ありがとう』





やっぱりまだテンションが低い。








根に持ちすぎやろ‼







っとツッコみたくなる感情を押し殺し、感想を述べる。




「私な、歌詞の"いつかは心も変わってしまうよ…"のとこ好き。
私なら鮪の心、変わらんようにできるのに……あっ」



『え?』







しまった‼





と思ったときにはもう、遅かった。







『…A?それ、そのまんまの意味で受け取ってええの?』


「えぇ…っと………」







あかん。

ポロッと出てしもうた。




好きなのバレた。




しかも、一番バレたらダメな人に。




どうする、A!!!!!!!







『聞いてる?』



「んおっ‼!!は、はいっ‼聞いてるに決まってる‼」


『?なんか、お前おかしいで?』



動揺しまくりやああああああああああっ‼




「ま、鮪はどうなん?」



なに聞いとんねん、私は‼



『どう……って何が』


「………さっきの」


『…あぁ。いや、ほんまに受け取ってええの?』



ええい。こうなったらもうどうにでもなれ。




「ええよ」



言ってしまった。





もう、終わりや。



さよなら、私の遅れた青春。









『ぷはっ』





「は?」



『いや、可愛いなぁって』


「なにゆうてんの、気持ち悪い」



『俺も好きやってん。高校のときから』


「…うそだ」


『で、告白しようと思ってうじうじしてたら、あの子に先越され た。ほら、俺ってコミュ障やろ?断る勇気なくて、付き合っ た』






まさかとは思った。




でも、彼の話す声はメジャーデビューする前に話した時と同じだった。


『そんで失恋して悩んでたらお前からの告白や』



電話の向こうで彼は笑った。


「こんな告白で良かったん?」




少し心配になって聞いてみる。

もしかしたら、気を遣っているかもしれない。


でも、彼の答えは

『ええよ、別に。今度会うときには俺からちゃんと言う』




胸が急に苦しくなって、顔が熱くなる。




『約束』



甘く、優しい声。



「うん」

これを返すのがやっとだった。



ほな、またな。と電話を切ると、私はベッドに突っ伏して暴れる。



「盛者必衰の理、お断りなんてさせへん。こっちにもきたる」


イヤホンを耳にあて、大音量で聴く平家物語は



気分がいい。

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あすか - ゲスの極み乙女の小説お願い致します (2017年3月17日 22時) (レス) id: 1a722e77b4 (このIDを非表示/違反報告)
Rihu(プロフ) - guitarのまーくんかっこよすぎます,… (2017年2月12日 23時) (レス) id: 69d8711b64 (このIDを非表示/違反報告)
黒きゃん(プロフ) - なかじん!めっちゃ良かったですよ!!!!!!セカオワっぽいファンタジックなお話読めて嬉しいです^^ありがとうございます!!!! (2016年8月12日 3時) (レス) id: 4804dd2dcd (このIDを非表示/違反報告)
安元檎璃子(プロフ) - Polluxさん» うおおおおおおっ!!!!関西弁の彩織ちゃんみたかった……。こっちでは、LOVEさんがトークで噛みまくりでしたよwww京セラ、当たるといいですね!私も、ナゴヤドーム当選祈願です(笑) (2016年7月4日 21時) (レス) id: f98a05b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
Pollux - 安元檎璃子さん» そうでしたか!私は大阪城ホールでした!さおりちゃんが関西弁で。。えげつなく可愛かったです。ええ。来年、京セラ行けるだろうか。。welcome京セラドーム!! (2016年7月3日 22時) (レス) id: dbf963be5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:安元檎璃子 | 作成日時:2016年5月2日 2時

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