十六 ジェームズ初登場 ページ16
ビアンカはレタスとトマトのサラダを運び、ついでという感じでテーブルに置いたアイフォンスターの画面を二,三回タッチして顔を上げた。
「ジェームズも来るってよ」
「クリスマスだってのに仕事場か」
俺は苦笑した。数秒も経たないうちに玄関のドアが開いてジェームズが入ってきた。茶髪混じりの黒髪を上でとんがらせ、耳に銀色のピアスをつけ、黒のライダースジャケットにジーンズ。そのジーンズのポケットには四十四マグナム弾が幾つか転がっている。銀色でナチュラルな形をしているデザートイーグルとのコンビならクソガキを病院送りにさせるか、息をとめることが出来る。
「やぁ、ジェームズ。クリスマスはどうだい?」
「楽しんでるよ。びっくりするくらいにね」
そういう割にジェームズの表情は何処が謎めいていた。良いことはなかったらしい。
ジェームズとキャロルはキッチンで軽いハグをしながら会釈を交し合っていた。ふたりの服が白い太陽の光でやわらかに反射している。俺はジェームズに嫉妬したことはないが、キャロルはジェームズの何かを悟ったのか強く抱きしめていた。俺はその光景を長くは見詰めていられず、左手で目をこすった。初めて嫉妬した。
ふたりの関係は仕事仲間でもあるし、母親と息子のような関係でもある。(だが俺はジェームズを息子扱いはしていない。)三年前のある大雨の日、キャロルがスーパーまで買い物に出掛けジェームズを連れて帰ってきたのだ。ギャングのような風格をまとっていて目つきはとても反抗的。そしてジャケットの中にはハンドガンがひとつ垣間見えていた。ジェームズがここに入った時のことは昨日のように鮮明に脳に入っている。
ジェームズを俺の横に座らせ、俺の目の前にビアンカを座らせた。キャロルは朝から目も口も笑っておらず、また誰とも目を合わせようとしなかった。黙々とパンにマーガリンを塗って口に含んでいた。俺は別にキャロルと話したかった訳ではないが、様子を伺っていた。
「キャロル、仕事は入ってた?」ビアンカが言った。
「ええ。一件だけ緊急で」
「どんな依頼?」
「クソイラつく仕事。ライオンと狼をくっつけてくれって」
キャロルは肩をすくめ、腰を上げて冷蔵庫までオレンジジュースをとりに行った。ジェームズは深い溜息をついて頭の後ろで手を組んでいた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 椋香さん» 毎度、暖かい目でみて頂いて感謝しております。ロバート&キャロルシリーズは、キャラ設定の割にハードボイルドなお話なんですよね。かみ合わない所が俺的にはツボですが(苦笑) 椋香先生はこういう系が好みなのかな? また機会があれば楽しく書きたいです! (2015年6月7日 20時) (レス) id: e81dc0df4c (このIDを非表示/違反報告)
椋香(プロフ) - 読了しました〜。言われてしまうと、裏設定書き込んでほしくなります…。今回も楽しく読ませていただきました♪またこのジャンルにも挑戦してみてください!こんな未来にならないことを祈りつつ…。 (2015年6月7日 16時) (携帯から) (レス) id: 79a496978a (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - ふたまさん» 感想ありがとうごうごさいます(*´∀`) このお話は書き始める前から仕込んでいたネタだったので、そう言っていただけると嬉しいです。これからも頑張って書き続けます。ありがとうございました♪ヽ(´▽`)/ (2014年11月5日 22時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
ふたま(プロフ) - イベント参加ありがとうございます!話が深くて超面白かったです…!書き方がお上手で憧れます(/∀\*)これからも頑張ってくださいね! (2014年11月5日 20時) (レス) id: fd0c711392 (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 感想ありがとうございます!(*^^*) 改行は縦書きはなしで、横書きは幾つか入れた方がいいそうです。改行ない方が正しいと思っていて、この作品は入れなかったのですが、最近知って修正しました。描写についてはまだ改善案があると思うのでがんばります(><) (2014年7月24日 12時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナンシー・ハジェンズ | 作者ホームページ:
作成日時:2013年9月14日 23時