2 転校生 ページ2
壱馬side
俺は、正直言って学校が嫌い。
だって、周りの女子は香水臭い上に血の匂いが混ざってるし。
......マジで吐き気を催しまくってるわ。
はあ、本当にさっさっと卒業して父さんの会社で働かせてもらいたいもんだ。
陣「おーい、今日から転校生が来るで〜。さっさっと席につけ〜。」
担任の坂本陣が声を掛けると、バタバタと皆各々に席につく。
ドアの向こうから香る匂いは...。
緊張してる。
ま、どうせ関わらないし。
どーでもいっか。
後ろの席の北人からは、興味深々ッ！って感じの匂いw。
壱「何、北人気になるの？」
北「だってもしかしたら、『俺達と一緒』かもしれないでしょ？」
『俺達と一緒』。
それは、バンパイアだってこと。
壱「それは無いな。匂いがしない。」
バンパイア一族の中でも相当鼻が利く俺。
バンパイアにはバンパイア特有のそれぞれ甘い匂いがするけどそれはない。
北人は、柑橘系のさっぱりした甘い匂いがする。
北「そっかぁ。じゃ、おやすみ〜。」
そう言って、北人はスースーと寝息をたて始めた。
何なんだこいつ、本当に。
そんなこと思ってると、ガラガラッとドアが開いた。
うわっ、ヤバい。
この匂い、俺の超好みだ...。
あ、やべ。
今、目が赤い。
人見られないようにして後ろの席の北人の方を向く。
壱「おい、北人。」
北「ん〜...？わぁっ...！」
壱「うるせぇな、大声出すなよ。」
北「目、真っ赤。もしかして『反応』しちゃった？」
『反応した』、それは好みの血の匂いがすると吸血するときの神経が吸血すると勘違いして目が赤くなる。
壱「かもな。つかどーすればいいんだよ、バレたらヤバいだろ。」
北「保健室行こう、ストックの血持ってる？」
壱「ああ、持ってる。」
北「おっけ。」
そう言うと、北人は転校生が自己紹介をしてるのにバッと手をあげた。
北「せんせー、壱馬が体調悪いみたいなので保健室つれていきます」
陣「壱馬、大丈夫か？」
壱「はい、大丈夫っす......。」
北人が注目するようにでかい声で言って恥ずかしいのと嘘をついた罪悪感そして、血がほしくてたまらなくてそれを押さえるために小さい声で答えた。
陣「そうか、北人保健室つれてってやって。」
北「はぁーい。」
壱「すいません...。」
俺は、北人と一緒に目の色が赤いことに気づかれないように廊下に出た。
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作者名：藤花 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月7日 11時
