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チョコレートが八十個 ページ37

「ねぇ、ちょっとだけ外に出てみない?」


そう提案する私に、トシは「で、でもっ……」と口ごもる。


「さっき兄さんは外に出ちゃダメだって……」


不安そうにオロオロするトシの手を掴み、にっと歯を見せて笑う。近くにあったマフラーを嫌がるトシに強引に装着させてから外へと飛び出した。


「ちょっとくらい平気だって! 別に大雪なわけじゃないんだしさ!!」

「でもっ!!」

「大丈夫大丈夫! そう遠くに行くわけじゃないし、裏のため池が凍ってないか見に行ってみようよ!!」


まだ納得していないトシは顔を曇らせるが、そんなことがどうでもよくなるほど、私は雪に舞い上がっていた。

しんしんと雪が降る中、私とトシは庭裏のため池に向かって駆けていく。少し積もった雪に私たち2人の足跡が付いた。

──────

「ハァハァ……ち、ちょっと待ってよA」


息切れを起こし走りを止めたトシの手を離し、私はすぐ側まで来ていたため池に近づく。


「ねぇねぇ、トシ見て! ほら、ため池の水が凍ってる……!!」


トシはゆっくりと息を整えながら近づいてきた。そして、私と同じように池の中を覗き込む。トシは恐る恐る手を凍っている水に触れた。


「ね? きっと明日になって太陽さんが昇ってたら、この氷は溶けちゃってたよ」

「わ、冷たいね……」


トシは氷をペタペタと触る。その光景を見ていたら、ふとアホなことを思いついた。私はそろりと右足をため池の氷の上に乗せる。

一見薄い氷が張っていたように見えたが、意外と分厚かったようで、ため池の氷はペキパキと音を鳴らしただけだった。


「A!? それは流石に危ないんじゃ……」

「平気だって! トシも来なよ、意外と割れないよ?」

「うっ……」


ため池の氷の上にいる私と地上にいるトシ。私がトシを氷の上に勧誘するとトシは誘惑と戦い始める。

しばらくソワソワしていたトシだが、ついに踏ん切りがついたのかゆっくりと氷の上に踏み出した。

パキ……とか細い音が鳴るが多分大丈夫だろう。


「本当だ……。見た目より頑丈なんだ」

「でしょ! 私たち2人の体重じゃ割れないって!」


トシが頬を紅潮させて言うもんだから、私もつい熱が入る。そのせいか、力強くダンっと1歩踏み出してしまった。……氷の上で。

パキッと先程よりも強い音が鳴る。チラリとトシを見れば、ついさっきまで紅潮していたのが嘘のように青ざめていた。


「……A」

「ごめん」


トシ、本当にごめん。

チョコレートが八十一個→←チョコレートが七十九個


ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー食べ物……かもしれない!

誰かのもんじゃ


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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 真選組,攘夷志士   
作品ジャンル:アニメ
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梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今回もダークマターでした。呪われているのでしょうかね…。しかし、ダークマターって作れるものなのでしょうか?(笑)寿司を作る時も妙さん、ダークマターになっていたのでね…ある意味才能(笑) (2019年10月16日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんですって!?可笑しいですね…一応十種類以上ある筈なのですが…。ま、まぁ、お妙さんの手料理を振る舞われている訳ですから、きっとお気に入りなんでしょう!! 今回はどうでしょう?もしまたダークマターでしたら、実際に作ってみては?← (2019年10月16日 22時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今日のラッキー食べ物もダークマター!?!?ほっ他のもあっありますよね?妙さんに嫌われているのでしょうかね?近藤さんよりはマシだと思うのですがね…。G(生命力がゴキブリ)と同類…考えたくもねーや← 人生リセットボタンならぬ人生リセット食べ物ですね() (2019年10月15日 21時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんと…! ……最近、嫌な思い出はありませんか?そんなときは、ダークマター! 嫌な記憶がさっぱり抜け落ちます!もれなく良い思い出も消え去りますが…。人生のリスタートには、ダークマターが必需品です!! …何を言っているんでしょう。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 続きも気になりましたが…ラッキー食べ物がダークマター…だと!? (2019年10月13日 16時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梨音 | 作成日時:2019年7月21日 21時

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