孤独なボクら (ページ5)

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登校ページ5

アラームの音で目が覚める。

アラームを止めて眠い目をこすって起き上がる。

時刻は午前６時４５分。

パンフレットによれば小学校は家から約１５分の位置にある。

「８時前に出れば大丈夫かな」

そうAは考えると、洗顔、歯磨きをすませリビングへ向かう。

朝食をとろうと考えたAだったが昨日越してきたばかりだ。
食べ物があるはずもない。

「…まあいいや」

リビングの机で突っ伏して寝ている２人を横目にAは家を出た。

家から歩いて25分。

パンフレットを片手に歩き、少々迷子になりながらも何とか学校にたどり着いた。

「早めに出ててよかった……」

Aは自分の方向音痴加減に嫌になりながらも上靴に履き替え職員室へ向かった。

職員室に着くと担任の先生らしき人が廊下にたっていた。

「おはよう！君が転校生の鶴井Aさんやね？」

若々しいオーラを放つ男の先生が話しかけてくる。

「お、おはようございます！えと、鶴井Aです！」

元気に答えるAに先生は満足そうに頷いて職員室の扉を開ける。

「1時間目まで時間あるからここで待っといてな」

そう言って案内したのは二脚の簡素な椅子が向き合った、いわゆる相談スペースだった。

先生が立ち去ってから見慣れない職員室をきょろきょろと見回す。

やはり職員室というのはどこの学校でも居心地があまり良くない。

しばらくすると先程の先生が戻ってくる。

「ほな行こか！合図したら教室入ってくるんやで」

「は、はい！」

いよいよだ。
心臓の鼓動が早くなるのを感じながらAは先生の後について階段を上る。