ドーナツの穴から見える景色【クローズZERO】 (ページ4)

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3話ページ4

私が目を覚ますと､真っ白ろな服を着た男の人が目に入った

医者｢Aさん､わかりますか？｣

私がゆっくりと頷けばその人はゆっくりと話し出す

医者｢…落ち着いて聞いてくださいね？…貴女はなぜこんな所にいるかわからないでしょう…それは貴女の記憶が無くなってしまったんです…でも安心してください…時期に戻ります｣

貴女｢記憶が…ない｣

医者｢とりあえず今日は家に帰ってゆっくりとお休みください…外でお兄様がお待ちです｣

貴女｢おに…いさん？｣

私は言われるまま部屋から出てみるとさっきの男の人が座っていた

男の人は私に気がつくと悲しそうに笑う

多摩雄｢…A…これからゆっくりでいい｡思い出していこうな…｣

貴女｢…はい｣

多摩雄｢俺は…芹沢多摩雄だ｣

貴女｢多摩雄さん…｣

多摩雄｢…あぁ｣

多摩雄さんは俯くと私に背を向ける

大きい背中なのに…なぜだか小さく見えてしまう

貴女｢…たま…お兄さん…っ｣

多摩雄｢…A｣

貴女｢お兄さんなんですよね…？｣

多摩雄｢あぁ｣

貴女｢お兄さん…ごめんなさい｣

私が謝ると多摩雄さんの手が私の頭を撫でる

謝るなと言われ私は多摩雄さんを見つめた

そっぽを向きながら撫でる多摩雄さんの顔は

泣いていた