1話 ページ2
血の匂いが鼻をくすぐる
目の前では意識が飛びそうな血だらけの男の人
貴女｢つまんない｣
ゴミを捨てるようにその人を投げると周りを見渡す
お兄ちゃんが楽しそうに暴れる姿が目に入る
相変わらず豪快に暴れるなぁ〜
真喜雄｢よぉ､A鳳仙相手だからってよあんまり暴れすぎんなよ？｣
貴女｢わかってるって〜｣
真喜雄｢あとよ､この戦いが終わったらお前に用があるから｣
貴女｢？…まぁわかったよ｣
真喜雄と拳をコツンっとぶつけ合うとニコッと笑い離れる
まさか…これが真喜雄との最後になるなんて
知るはずもなかった…
後半から鳳仙が勢力を上げてきて鈴蘭が圧されていた
…次から次へと弱いやつばっかり飽きてきちゃったよ
川西さんそろそろ終わりにしないと皆もバテてきちゃってるし…
私はそう思い川西さんの方を振り向いた
貴女｢…真喜雄っ？｣
真喜雄の腹に深く突き刺さるナイフ
白い制服を赤に変えていく
川西さんが離れると私は真喜雄の所へ走った
倒れる所を間一髪で何とか受け止める
真喜雄｢A…っ｣
貴女｢いやっ…真喜雄っ…誰か救急車呼んで！｣
真喜雄｢ぐっ…｣
貴女｢大丈夫だからねっ！もうすぐで救急車来るかっ｣
真喜雄の赤く染まった手が伸びてきたと思ったらキスをされた
真喜雄｢…ずっと好きだった…｣
貴女｢…私も好きっ…｣
真喜雄｢ははっ…やっと言えたってのによぉ…もう終わりかよ…情ねぇな…｣
真喜雄は視点の合っていない目で空を眺めながら悔しそうに涙ぐむ
貴女｢馬鹿っ！なに終わりって言ってんのよっ！…これからでしょ…｣
真喜雄｢…悪ぃ…もう駄目みてぇだ……なぁAお前の顔見せてくれよ｣
私は止まらない涙をこぼしながら真喜雄を見る
真喜雄はふっと笑うと笑えよと微笑みながら言った
貴女｢…愛してる｣
真喜雄｢俺もだ…｣
真喜雄は幸せそうに笑うと私の頬を撫でていた手が地面に落ちる
その瞬間私は目の前に砂嵐が流れた
救急車のサイレンや周りの騒音が耳の奥で響いていた
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作者名：ムーマン | 作成日時：2016年10月24日 2時
