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1話 ページ1
俺は目を覚ますと真っ白な部屋にいた
…A…
随分懐かしい夢をみたようだった
まず思ったのはAの事だった
Aに会いに行かなくては
まだハッキリと覚めていない意識の中で俺は酸素マスクを外す
しばらくぶりに空気を吸い込んだ気がした
俺…生きているのか…
身体のあちこちに繋がる管をむしり取る
一体どのくらい寝ていたんだろう
動かす度に体が痛く力が入らない
ベットから転がるように落ちると壁を伝い起き上がる
夜の病院の廊下を歩いていくと俺はAの名前が書いてある病室を開いた
静かな部屋にはAに沢山繋がっている管
そして微かにしか息をしていない弱ったAの姿
リズムよく鳴る機械からはAが生きていることを表している
そっと前よりも細くなってしまった手を掴む
一緒に死のうとしていたのに、生きていることに安心してしまう
涙がAの乾燥した肌に落ちる
降谷「…帰ろうかA」
病室の窓から入る夜風はふんわりと暖かく感じた
風によって揺れたカーテンが2人を隠す
再びカーテンが戻った時、2人の姿はまるで風のように消えた
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作者名:ムーマン | 作成日時:2018年4月16日 19時