変な意地〜松野トド松、おそ松さん〜 ページ25
「なんで一松兄さんと話してるの、君は僕の彼女でしょ」
………正直、こんなトド松初めて見た。
いっつも人懐っこく、あざとい笑顔で私の隣を歩いているトド松とは別人のよう。
声音はすっごく怖いのに、顔はすっごい泣きそう…
A)確かに、一松とはウマが合うから一緒に話したけど…。別にいいじゃん、トド松には関係ないで…っ！
関係ないと言おうとした時…
チュッ…
私の唇は奪われ、目の前にはトド松の顔
トド松)っは…もういいよ、そんなに一松兄さんが好きなら一松兄さんのところにでも行けばいいじゃん。
A)え？…トドまっ…トド松)今更、謝っても仕方がないから。じゃあね。
パタン
と、部屋の扉が閉められる。
A)ふん。勝手に怒って勝手に出て行っただけでしょ。どーせ、すぐ戻って…くる…
本当に？
あれ、私、さっきトド松に一松のところにでも行けば？って言われたよね。
それって、トド松に捨てられちゃった…の？
ないないないないない。だって私はトド松の彼女だもん。彼氏でもない一松のところなんて、行くわけ…
次の瞬間には、私は部屋を飛び出して外へ飛び出していた。
トド松が言いたかったこと。トド松が思っていた気持ち。全部わかった。
なんで私は気づいてあげられなかったんだろう。
はやく、はやく、もっとはやく、トド松のところへ行かなくちゃ。行ったら謝らなくちゃ。
「私はトド松しか見ていない」って…
走り出してから、数分経った。町中を走ってもトド松は見つからない。
A)はぁっ、はぁっ…トド松っ…どこっ！？トド松っ！！！トド松ーーーーー！！！！！！
無我夢中で走ったせいか、目尻が熱くなり、涙が溢れそうになる。
トド松)…ねぇ、そんなに僕の名前を呼ばないで。
ハッと振り向くと、ずっと探していたトド松が腕を組み、壁に寄りかかっていた。
トド松)今更なに。もう僕は君に用はない。
A)トド松…ごめん。ごめんね。やっとトド松が言いたかったこと理解したよ。私は絶対一松のところなんて行かない。行きたくない…！
熱いなにかが、頬を伝う。
A)私はっ…トド松しかっ…ひくっ…見てないっからっ！！お願い、私を捨てないで…！
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作者名：影花 | 作成日時：2015年1月21日 7時
