ﾄﾓﾀﾞﾁ以上、ｺｲﾋﾞﾄ未満。【松村北斗】 (ページ37)

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A「嬉しい…です」

渡辺「…ってことは？」

A「私で、よければ...。」

渡辺「…まじ？」

A「…まじ」

渡辺「…よっしゃ！！！！！」

そんな部長の姿が微笑ましくて、笑ってしまった。

渡辺「これから宜しくな、A」

A「…えっ」

初めて、部長が私のことを名前で呼んだ。

渡辺「お前も、これから先輩とか部長とか禁止な。」

A「え」

渡辺「なに、俺の名前わかんない？」

A「…いや、わかります！」

渡辺「じゃあ言ってみて」

・

・

A「…翔太、くん」

そう言うと、部ちょ…じゃなくて翔太くんは急いで後ろを振り向いた。

A「え？」

渡辺「絶対見んな！」

A「え、もしかして照れてます？(笑)」

渡辺「違ぇよ！」

A「じゃあ見せてくださいよ！」

渡辺「絶対やだ！！」

いつもの部長とは違って、子供っぽい一面があることを、この時初めて知った。

渡辺「あと、その敬語もどうにかしとけよ

ほら！早く部活戻るぞ！」

A「あ、ちょっと待ってくださいよ！」

渡辺「はい敬語使ったー。次やったら罰ゲームな！」

A「なんでですか！…あ」

渡辺「はい罰ゲームー！」

A「ズルい！！！」

そんな私たちの姿を、誰かが後ろから見ていたなんて気が付かなかった。