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A「…ウソ、こんなに多いの…？」
体育倉庫に着くと、そこに置かれていたのは山積みにされたボールの入ったダンボールが。
A「…これ、1人で運ぶのか...。」
これなら、愛理の言う通り着いてきてもらえばよかった。
でも、自分が決めたことだ。やるしかない。
A「…よし」
…これ、重い...。
一つ一つのダンボールが重くて、ひとつ持つので精一杯だ。
A「…早くしないと、みんなに迷惑かけちゃう」
それでも、時間をかけてダンボール箱を体育倉庫の外に移動し、残るはあとひとつ。
A「…え、高くない…？」
残るひとつは、棚の上に置かれていた。
背の低い私にとっては、十分な高さだ。
でも、取るしかない。
そう思い、近くにあったイスに乗ってダンボールに手を伸ばしたその時。
ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ
A「きゃっ！」
倒れる！そう思い、目をぎゅっと瞑ったが、いつまで経っても痛みが走ることは無かった。
？？「…ったく、危ねぇな...。」
…誰かが、助けてくれた…？
？？「おい、大丈夫か」
・
・
A「…部長」
渡辺「危ねぇよ、無理すんなって言われたろ。」
A「…すみません」
・
渡辺「…で、いつまでこれ続ける？」
A「…えっ？」
そう言われて、私が渡辺部長に抱きしめられている体勢だということに気づいた。
A「ご、ごめんなさい！」
そういって、離れようとしたその瞬間。
自分の背中に、部長の長い腕が回った。
部長に抱きしめられているということに気づくのに、少し時間がかかった。
A「…部長？」
渡辺「離すわけねぇだろ。なに離れようとしてんだよ」
A「ちょ、どうしたんですか…？」
渡辺「お前さ、俺が嫌いになったと思ったの？」
A「…だって、私と話してたら機嫌悪くなったから」
渡辺「なわけねぇだろ。むしろ逆だよ」
A「…逆？」
渡辺「好きすぎて、不機嫌になることもあるんだよ」
A「…え？」
・
・
渡辺「好きだ。俺、Aが好きだ。」
部長は、抱きしめた状態のまま、小さく、でもハッキリと、そう言った。
A「…え？」
渡辺「絶対もう一回は言わない。」
渡辺「…で、返事は？」
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作者名：かのまる
| 作成日時：2020年11月14日 14時
