ﾄﾓﾀﾞﾁ以上、ｺｲﾋﾞﾄ未満。【松村北斗】 (ページ1)

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桜の花散る4月。

私は、この高校に入学した。

愛理「Aちゃんっていうの？これから宜しくね！」

A「よろしくね！Aでいいよ！」

愛理「じゃあ、A！私も、愛理でいいから！」

A「うん！愛理、よろしく！」

私は、地元の高校ではなく、

進学校であるこの高校を選んだ。

はじめは、

誰も友達がいないということに不安を抱えていたけれど、

そこまで人見知りでない私はすぐに友達をつくることができた。

・

愛理「Aは、同中の人いないの？」

A「まぁ、いるっちゃいるけど...。」

愛理のその質問に、

私はクラスの前方で1人読書をしていた彼に目線を向ける。

A「いるけど、同じクラスになったことないし。

あんまり仲良くないかなぁ...。」

愛理「ねぇねぇ、あの子めっちゃかっこよくない？」

A「え、どの人？」

愛理「ほら！あの前で読書してる！」

A「あぁ...。松村くんか」

愛理「え？知ってんの！？」

A「知ってるも何も、あの人が同中の人。」

愛理「え！紹介してよ！」

A「いやだから仲良くないんだって(笑)」

彼は、松村北斗くん。

中学の頃から勉強ができるって有名で、

私はテストでは彼を抜かすことが出来ず、ずっと2位だった。

クールで、いつも女子と関わろうとしないらしいけど、

どんなことでも器用にこなす彼は

学年1ってくらいモテていたのを覚えている。

A「どうせ高校でもモテるんだろうなぁ...。」