【ヒロアカ】未確認英雄少女【MHA】 (ページ6)

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No.4 正体2 ページ6

━━━ 半年前ｰロシア国内極秘軍事施設 ━━━

「はじめまして今日は僕との話し合いの場を設けてくれてありがとう！」

部屋に入ってきて開口一番、何やら意味不明な言語で話しかけてきたのは喋るねずみだった。

二足歩行をして、洋服を着ている。

なんとも不思議な生物だ。

その姿を観察するため、じっと凝視していると、慌てた様子でイヤホンを手渡してきた。

ハンドサインで、耳に嵌めるように指示する。

指示に従って耳に装着すると、耳慣れた言語が聞こえてきた。

「……どうかな？ちゃんと聞こえているかな？」

『ん、聞こえる』

相手にも自国の言語として伝わっているようで、ほっと胸を撫で下ろしていた。

「それじゃあ改めて……僕の名前は根津だ。君の父方の国籍が日本人であることから、日本政府からの言伝を預かってきた」

『日本……』

初めて知った父方の国籍だった。

かといって嬉しいなんて感情も湧かない。

私はデザイナーベイビーであり、少し前にその事実が明るみになっている。ロシア国内における処遇もそろそろ決定されることになるだろう。

待っている運命などたかが知れている。

「単刀直入に言う、君を日本国内にて保護させてほしい」

『……え』

予想だにしない答えに若干身がたじろぐ。

こんな私を保護しようなど正気か。

そも軍事施設の幹部がそのようなこと許すわけがない。

「君は戦うことを目的に生まれてきた、だけどそれは違うと僕は思っている」

「その個性で人を助ける気はないかい？」

『…私の個性で？』

「そう、他ならない君の個性で。僕はとある高校の校長を務めていてね、君なら入学試験は楽々クリアできるだろう。君が僕の高校でヒーローを目指すというならば、喜んで歓迎するよ」

ヒーロー。

個性を使用して人々を救う職業である。

そんな職業を散々悪い行いをしてきた私などが目指していいのか。

私の生かされていた目的は一体なんだ。

思ってもいない勧誘に対し、とても混乱していた。

「突然の提案で本当に申し訳ないと思っている。ただ正直言って君に残された時間は少ないんだ。今決めてもらえないと君はこのまま処罰をただ待つだけになる。僕らも…君の事情には介入できないだろう」

『…私はなってもいい、の？』

「…人を助けたいと思う気持ちがあるのならば」

『…やる。私は変わりたい。生かされていた目的を知りたい』

「その動機で十分さ」

そうして私の日本行きは決まった。