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34:押してダメなら押してみろ ページ34

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× × ×







きっと、いやわかんないけどもしかしたらわたしだって気づいたら、テヒョン先輩は出てくれないかもしれない。

だから、ちょっと失礼だけどインターフォンのカメラから外れて、玄関の扉をノックする。
扉越しに足音が聞こえて、念の為にドアスコープも掌で覆って隠した。





「はぁ、い……?!」

扉を開けてくれたテヒョン先輩がわたしの姿をとらえると、目を見開いて咄嗟に閉めようとするからドアノブを掴む。
テヒョン先輩の力に負けそうになって、隙間に手を突っ込むと扉で挟みそうになるからテヒョン先輩はばって力を抜いた。

強引すぎるけど、やり返しだ。
押してダメでも、引くところじゃない。



「…ねえ、今取り込み中だったんだけど」

テヒョン先輩は、人の気も知らないであからさまに嫌そうな顔をする。




「テヒョン先輩のせいだ」

「は?」



もう、なにも止めるものなんてない。ちょっと恥ずかしいなとか思ってたのが嘘みたい。
大胆だけど人様の家の玄関先で、テヒョン先輩の胸ぐらを掴んで引き寄せた。顔が近いけど、そうしないと話を聞いてもらえない気がしたから。

天邪鬼なわたしが出切るに出切って、テヒョン先輩を責めるような言葉がどんどん口から出た。



「テヒョン先輩のバカ、なんであんなにあっまいちゅーしたのにわたしのこと簡単に捨てるんですか。手でぐちゃぐちゃにされたのも忘れるわけないし、そんなにかっこいいのに変に期待させて…」

「期待させたのはAちゃんでしょ、」


わたしが話してる途中なのに、さえぎるように話し始めるから形のいい唇を自分の唇で塞いだ。
当然、目を見開いてびっくりしてるテヒョン先輩。


「うるさい、テヒョン先輩は知らないでしょ。わたしはこんなに好きなのに、なんでそうやって好きにさせてから捨てるの。女の子いっぱいかもしれないけどわたしはテヒョン先輩一人だし、わたしから離れたあと女の子と遊んでないってどこまで期待させるの!!!」


言いたいことがたくさんあるのに、うまく言葉にできてるかもわかんない。
はじめて感情的にテヒョン先輩に何かを言って、もしかしたらこれが最後だから言い残しがないようにって思ったらぜんぜん止まらなかった。





× × ×

35:ああ、形勢逆転→←33:つまり、つまり、つまり



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れる(プロフ) - xxxさん» わたしも完結させる実感もないです、あれ終わったみたいな……………………………コメントありがとうございます (2020年2月13日 3時) (レス) id: 55dc449881 (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - 完結してするのが少し寂しい(><) (2020年2月13日 2時) (レス) id: 1d4c885120 (このIDを非表示/違反報告)
м i м i .(プロフ) - こういう作風とってもすきです!! (2020年2月9日 1時) (レス) id: db2ae2fba4 (このIDを非表示/違反報告)
ans(プロフ) - こんばんは!この作品とっても好きです!!!作者さまのペースでの更新待ってます^_^ (2020年2月7日 21時) (レス) id: 010b6f21e4 (このIDを非表示/違反報告)
筋肉兎 - テピョン様やばすぎた…更新楽しみです! (2020年1月24日 18時) (レス) id: 8ccf039434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れる | 作成日時:2020年1月20日 22時

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