さくやこのはな (ページ12)

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9話ページ12

……やばい。

9枚も差がついてる。

”ももしきやー”

バンッ

新と同じくらい強くなった？

ーーー…全然。まだまだや。

勝てる？

ーーー…無理。

いや。無理やない。

”ちはやふるー”

バンッ

『ちょ、新。手、離してよ。私の取りでしょうよ』

ほぼ同時だった。

私、ちはやふるだけは速いと思ってたのに。

ちはやふるの札なら私の方が新より早かったのに。

ーーーーーーーーーーーーー

『「ありがとうございました」』

結果として、9枚差からそのまま動かなかった。

…私が負けたっちゅーことや。

『そういやさ、前まで私の方がちはやふるの札の反応早かったよね？新に1回も取らせてこなかったもの……めっちゃ悔しいわ』

「…それな、俺が東京にいる頃な、ちはやって名前のかるた友達が出来たんよ。やからかもしれん」

自分に関わりがあるフレーズが含まれる札は、取りやすくなるってのは本当だ。

『……そっか。良い友達が出来てよかったね』

私は……

かるた友達が出来たのは、太一が初めてかな？

いや、新がいるやん！

……ん？

…新は従兄弟。

…＝友達じゃない？

うそ…泣

『新…私、今気付いたんやけど。

……私ら友達じゃないかもしれない。』

「………は？」

『だ、だって！新は従兄弟。＝友達じゃないってこと？』

「A…馬鹿になってしもうたんやね」

え、酷っ！！

「別に、従兄弟だろうがなんだろうが、Aは友達。俺の1番のかるた友達。」

『………』

スタスタスタ

『…そっか。ありがとう。』

新が去った部屋で呟いた。