検索窓
今日:55 hit、昨日:38 hit、合計:391,498 hit

   ページ9







( 風雅 )













" 嘘つき " 、









そう言いたくなる気持ちが俺には何となく分かった 。









拓哉が薬の調整で入院した時、
治療の段階で何日も何週間も意識が戻らんかった 。











そんな危険な治療やってことを俺だけが知らんかった 。









それがめっちゃ悔しかった 。






嘘をつかれた気分になった 。







子ども扱いされたことが悔しかった 。









きっと篤志もそうやないかなってどうしても放っとかれへんかった 。









風雅 「 篤志 ? 」









広場のジャングルジムのてっぺんにいる篤志を呼べば篤志は不思議そうに俺を見下ろした 。









風雅 「 篤志はさ、まだ子どもやで ? 」








篤志から見える位置のブランコに座ってそう言えば、









篤志は泣きそうな怒ったような顔をした 。












風雅 「 子どもなんやからさ ? お兄ちゃん達のこと困らせたっていんやで ? 」









あのとき、
子ども扱いされた事が悔しくてそれと同時に、
拓哉がいなくなってしまうかもって怖くなって









病室から飛び出して1人で泣いてた俺に龍太くんが言ってくれた 。









「 俺にとって風雅も拓哉も同じだけ大切な弟や 」 って 。









風雅 「 きっとお兄ちゃん達は篤志を大切に思ってるだけやで ? 」






風雅 「 嘘つくつもりはなかったと思うで 」








風雅 「 お兄ちゃん達も篤志と同じように怖いから 」







風雅 「 今の篤志に伝えたらもっと怖いと思うやろなぁって 」







風雅 「 そう思っただけちゃうかな ? 」









俺が一方的に喋ってるなぁって篤志の方を見てみたら、









篤志はぐちゃぐちゃな顔して必至に声を堪えて泣いていた 。









風雅 「 よいしょ、 」









ジャングルジムのてっぺんとは言っても
もうこの歳になれば背伸びして手ぇ伸ばせば余裕で届く 。









ヒョイっと篤志をジャングルジムから下ろしたら、






しがみついて離れんかったから
とりあえず頭を撫でてやったら声をあげて泣き始めた 。









風雅 「 そうやそうや、いっぱい泣けぇ、 」









なんて言いながら龍太くんがしてくれたみたいに背中を摩る 。









その背中はホンマにまだまだ小さくて









あぁ、色々我慢してたんやろなぁなんて思った 。









  →←  



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
557人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

隣(りん)(プロフ) - 澪さん» ありがとうございます、予告文だけ書いてみてまた練り直してます(^^; ほんとに何度もすみません m(_ _)m またまとまり次第掲載します (2019年12月16日 19時) (レス) id: aec75fe184 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 新作読みたいです! (2019年12月16日 18時) (レス) id: 25f866bc63 (このIDを非表示/違反報告)
隣(りん)(プロフ) - ゆささん» ご意見ありがとうございます! (2019年12月8日 23時) (レス) id: aec75fe184 (このIDを非表示/違反報告)
ゆさ(プロフ) - 新作おもしろそうで読んでみたいです!! (2019年12月8日 23時) (レス) id: 2a434ea588 (このIDを非表示/違反報告)
隣(りん)(プロフ) - ここたさん» ありがとうございます m(_ _)m 自分で読み返すと下手っぴだなぁと、思うのでそう思って頂けて嬉しいです! ぱーと2では望くんも登場します ! 楽しみにしていてください (^o^) ぱーと2もよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年11月14日 5時) (レス) id: aec75fe184 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年3月10日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。