ページ15
･
そんな不安もありながら、
小学校に入る1年ほど前から謙杜は家で過ごす時間が増えていった 。
ときどきやけど幼稚園にも通うようになった 。
オトンは近所に店を持ってやっと家族で暮らせるようになった 。
そして篤志が生まれた 。
同時にオカンに病気が見つかった 。
俺も謙杜も小学校に入ってすぐの頃で
謙杜の加配の先生や看護師さん達との話し合いも多かったから入院はせずに治療してた 。
けどそれも俺らが小3の頃まで 。
オカンは入院 。
兄弟とオトンだけで謙杜とまだ小さい篤志の面倒は見れないと
謙杜は療育センターに入所する事になって一旦は特別支援学校に転校する事になった 。
今なら分かる 。
けど9歳の俺には分からんかった 。
「 謙杜が、オカンが病気やから 」
「 だからうちは普通じゃないんや 」って、
「 普通がよかった 」なんて、
そんな風に思ってた 。
駿佑 「 元気な弟がほしかった ！ 」
なんて言いながら、
寂しいと泣く篤志にキツく当たって泣かせたり 。
それを叱った誠也くんに
駿佑 「 誠也くんはいっつも篤志ばっかり ！ 」
駿佑 「 誠也くんなんて嫌いやっ ！ 」
そう言ってしまったことがある 。
誠也くんは悲しそうに小さく笑うと
雑に俺の頭を撫でて言った
誠也 「 ごめんな、寂しかったよな ？ 」
誠也 「 駿だって寂しいよな ？ 」
誠也 「 不安よな ？ 」
そう言われて涙が止まらなくなった 。
誠也 「 お兄ちゃんもやで ？ 」
その言葉に顔を上げると、
ピアスを開けて、髪を染めたもう立派な大人の誠也くんが泣いてる俺と同じに見えた 。
もしかしたらあの時、
誠也くんの心は泣いていたのかもしれない 。
それから1年が過ぎた頃、
オカンは眠るように穏やかに天国へと旅立った 。
そして5年生に上がる春 、
謙杜は家に帰って来た 。
駿佑 「 謙杜と修学旅行に行きたい 」
俺の要望は、
謙杜のセンターや病院以外での初めての泊まりやったと後で聞いた
「 それきっかけで出掛けてみようと思えた 」と
誠也くんが言ってくれて嬉しかった。
その気持ちを作文に記した 。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 557人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
隣（りん）(プロフ) - 澪さん» ありがとうございます、予告文だけ書いてみてまた練り直してます(^^; ほんとに何度もすみません m(_ _)m またまとまり次第掲載します (2019年12月16日 19時) (
レス) id: aec75fe184 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 新作読みたいです！ (2019年12月16日 18時) (レス) id: 25f866bc63 (このIDを非表示/違反報告)
隣（りん）(プロフ) - ゆささん» ご意見ありがとうございます！ (2019年12月8日 23時) (レス) id: aec75fe184 (このIDを非表示/違反報告)
ゆさ(プロフ) - 新作おもしろそうで読んでみたいです！！ (2019年12月8日 23時) (レス) id: 2a434ea588 (このIDを非表示/違反報告)
隣（りん）(プロフ) - ここたさん» ありがとうございます m(_ _)m 自分で読み返すと下手っぴだなぁと、思うのでそう思って頂けて嬉しいです！ ぱーと2では望くんも登場します ！ 楽しみにしていてください (^o^) ぱーと2もよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年11月14日 5時) (レス) id: aec75fe184 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暖 | 作成日時：2019年3月10日 23時
